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【自己PRと長所の違い】効果的な書き方と注意点を解説!|例文あり

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自己PRと長所の違いを分かりやすく解説

自己PRと長所は、就職活動や転職活動でアピールして、志望企業に自分を売り込むために欠かせない要素です。

しかし両者の違いと使い分け方が分からないと、同じ内容を説明してしまい、採用で不利になってしまうかもしれません。

 

自己PRと長所には明確な違いがあるため、回答の内容を変える必要があります。

どうしても似た内容になってしまう人は、まず自己PRと長所の違いをしっかりと理解し、それぞれの特徴を押さえて、構成の仕方などに注意しながら書き上げていきましょう。

 

企業の質問意図を把握して、どちらも正しく回答することが求められます。

効果的な書き方を押さえて、自分のアピールポイントを上手にまとめ、志望企業の内定を勝ち取りましょう。

自己PRとは?

自己PRは、自分の「強み」として、今までに身に付けたスキルをアピールすることです。

自分が志望企業に入社後、スキルを活かしてどのように事業に貢献できるのかを伝えます。

 

紹介できる強みの代表例は、主体性・コミュニケーション能力・交渉力などです。

強みを伝える際には、その強みを活かしてどのような実績を挙げたか、具体的なエピソードとともに紹介しましょう。

 

具体的なエピソードがなければ、本当に強みを備えているのか、根拠を提示できません。根拠を述べたうえで、「御社に入社後も、この強みを活かして貢献したいと考えています」と締めくくります。

 

ここで大切なのは、入社後に強みを活かして活躍できる人材であることを、採用担当者に明確に思い描いてもらうことです。

そのため、志望企業で求めている人材にふさわしい強みをピックアップしましょう。

 

例えば、新進気鋭のベンチャー企業なら、創造性や企画力など、ゼロから新しいものを作る能力が重宝されやすいです。

「企画力を活かし、アンケート結果をもとに、ターゲットのニーズを満たしたイベント開催を成功させた」といった、企業に親和性の高い強みとエピソードを伝えると有利です。

一方「リスク分析」がメイン事業の企業に、「楽観的ですべて前向きにとらえる」という長所は評価されにくいでしょう。

 

最悪の事態を想定できる論理的な人材を求めている企業は、楽観的で詰めの甘い人材を採用しないことが想定されるからです。

 

そのため、複数の長所をピックアップして、応募企業ごとに親和した長所を伝えられるように準備することが大切です。

長所とは?

長所とは、その人の「人柄」「性格の特徴」のことです。

サークル活動やアルバイトなど周囲の人と接する中で、どのような良い影響をもたらしたか、どう褒められたかを思い出しましょう。

 

例えば、自分が行った接客について、先輩から「よく気遣いができるね」と褒められた場合、長所は「人を気遣える」ことです。

このように長所とは、自分の性格的な特徴を客観的にまとめたもののことを指します。

 

大切なのは、長所とともに短所を考えることです。誰にでも性格的に良い面と悪い面が必ずあります。

長所と短所は表裏一体のため、どちらか片方が存在しないことはあり得ません。

 

就職活動においては、自分の長所と短所を客観的に把握して、いずれについても一貫した説明をする必要があります。

長所と短所の一貫性を意識しなければ、矛盾した回答をしてしまう可能性が高いです。

長所が「気遣いができること」なのに、短所は「一点集中型で、周囲の様子を見落とすことがある」では、つじつまが合いません。

 

長所を考える際には、同時に短所について考えることで、矛盾のない説明が可能となります。

自己PRは「スキルのアピール」、長所は「自分の性格」

自己PRと長所の違いをまとめると、自己PRは企業で活かせるスキルのアピール、長所は自分の性格の良い部分です。

 

自己PRでは、組織や団体などでの客観的な評価を参考に、自分のスキルを伝えます。

一方長所では、自分や親しい人しか認識していない、自分の一面を説明することがポイントです。

 

企業は長所について質問することで、就活生が自分自身の性格を客観的に把握できているか確認しています。

自己を分析して自分の長所を伸ばし、短所を改善できる人材なら、冷静さと向上心を持って活躍できる可能性が高いためです。

 

また企業は自己PRを通じて、就活生が入社後にどう活躍してくれるか、具体的な姿をイメージしようとしています。

自社の業務を遂行し、活躍できる人材か、自己PRの内容から見極めようとしているのです。

 

企業の質問意図を把握して、どちらもしっかりアピールできるようにしましょう。

自己PRの作り方と長所の見つけ方

「自己PRで使う強みが思いつかない」「長所を見つけられない」と悩む就活生は多いかもしれません。

その場合は、以下で紹介する手順に従って、長所と強みを絞っていきましょう。

自己分析をする

まずは自己分析を行うと、自分の性格タイプを客観的に把握でき、長所と短所を見つけやすくなります。自己分析は自分の好き・得意なこと、嫌い・不得意なことを明らかにすることが可能です。

以下のような項目をまとめた表を作り、本音で回答してみてください。

 

  • 好きなものと嫌いなもの
  • 楽しいと感じる作業と嫌だと感じる作業
  • 思い出すとワクワクする過去のエピソードと嫌な気分になるエピソード
  • ここまでの項目で共通する特徴

 

また就活エージェントや就活サイトには、より詳細な質問に回答するだけで、自己分析ができるサービスも多くあります。

 

この他にもインターネット上には、登録不要で自己分析できるツールや、無料の性格診断サイトなどが豊富にあります。

16Personalities」や「Jobgram性格診断」では、5~10分程度で質問に回答すれば、無料で自己分析が可能です。

 

自分の長所と短所に加え、適職を見極めるうえでも参考になるため、積極的に活用しましょう。

企業研究を行う

自己分析で長所と短所を見つけたら、「企業にマッチした人材」としての強みをアピールする準備に入ります。

 

徹底的な企業研究を行い、「企業がどのような人物を求めているのか」を明確にしましょう。

どれだけすばらしい長所を持つ就活生でも、それが企業の求める人物とマッチしていなければ、不採用となってしまいます。

したがって、応募した会社の募集要項を読み込み、何の職種でどのような人物を求めているのか見極めましょう。

 

具体的な見極め方としては、会社の公式サイトを必ずチェックし、企業理念創業の背景を把握します。公式のSNSやプレスリリースなども確認して、最新の事業内容や企画なども知っておきましょう。

「会社が何を目指して、何をやろうとしているのか」把握し、どのような人物なら目標実現に向けて貢献できるかイメージします。

 

その人物が持っていれば、会社の目標実現をサポートできる強みは何なのか。「企業が必要としている強み」がイメージできたら、それを自分の強みと絡めて、自己PR文を考えてみてください。

 

理想の人物の強みと、自分の強みが重なる点を見つけて、具体的にどう貢献できるかアピールすることが大切です。

採用担当者が知りたい情報を分析して回答する

「企業にマッチする強みが見つからず、自己PRできない」「どうしても長所が思いつかない」という人もいるかもしれません。その場合は、採用担当者の目線に立ってみてください。

 

採用担当者は、就活生の自己分析力と、企業に貢献するために必要なスキルの高さを見極めようとしています。

 

では、これらを見極めるためには、何を知るべきでしょうか。

具体的には、採用担当者は就活生に関する以下の情報を求めています。

 

  • 本当に自社の業務を遂行できるか
  • 自分の長所と短所を把握し、短所を直す意欲があるか
  • 高額な採用費用をかける価値のある人材か(すぐに辞めてしまわないか)
  • 自社のチームメンバーと協力し合えるか
  • 自社にとって理想の人材であることをアピールする能力はあるか
  • 論理的な説明ができ、入社後は自社の魅力をプレゼンする能力があるか

 

就活生は上記の採用担当者が知りたい項目に、堂々と「はい」と、根拠とともに答えられるようにしなければなりません。

これらの項目について、採用担当者に説得するつもりで回答していけば、自己PRの土台ができあがります。

 

採用担当者がわざわざ自己PRと長所を聞きたがるのは、履歴書からは読み取れない情報を知るためです。

経歴だけではなく、応募者個人の人柄や実践の場での活躍度合いを把握して、自社にメリットをもたらす人材か判断したいのです。

 

自分を採用した会社にメリットをもたらすことを、エピソードを交えて、論理的に説明しましょう。

自己PRと長所を効果的に伝えるための構成

自己PRと長所をまとめる文章には、構成の型があります。

履歴書に書く際や面接で話す際も、型にあてはめて記述・回答することで、論理的な説明が可能です。

 

まずはそれぞれの型を確認して、実際に書いてみることで、効果的なアピールの練習を行いましょう。

長所の構成

長所の説明では、まず「私の長所は〇〇です」と結論から伝えます。

次に長所の根拠として具体的なエピソードを紹介しましょう。

 

長所が「粘り強い」の場合、アルバイトで時間帯ごとの客層を分析し、粘り強く集客に向けた戦略を立てた経験などを伝えてみてください。

 

結果的に長所を使って、どのように貢献できたのか、客観的な事実を伝えます。

最後は入社後にも同じように「貢献していきたい」という意欲を伝えれば完了です。

 

多くの場合、長所に続けて短所を伝えるため、長所に関連した短所について説明しましょう。

「粘り強い」が長所の場合、「頑固」「融通が利かない」などの短所であれば、一貫した説明がしやすいです。

 

短所についてはさらっと触れたうえで、今後の行動の中で改善していく意思があることを伝えましょう。

 

【使える長所と短所の一覧】

長所

短所

環境に適応しやすい

周囲に流されやすい

成長意欲が強い

自分を曲げない

決断力がある

慎重さに欠ける

論理的に考えられる

理屈を長く説明しやすい

ポジティブ

詰めが甘い

気配り上手

おせっかいになりやすい

自己PRの構成

自己PRでも、長所と同じく最初に自分の「強み」であるスキルを、結論ファーストで伝えます。同様にエピソードを交えて、強みの根拠を伝え、成果をまとめます。

 

成果については「売上に〇%貢献した」「リピート率を〇%上げた」など、数値を使って具体的に説得力のある説明をしましょう。

 

そのスキルを活かして、入社後にどう貢献できるかを伝えられます。

自分の強みの根拠である実績や経験を、具体的な数値とともに伝えて、今後どう活かしていくか明示するという流れです。

 

【自己PRとしてアピールしやすい強み一覧】

協調性

計画性

忍耐力

コミュニケーション能力

主体性

柔軟性

リーダーシップ

提案力

長所の例文

長所「計画的」

<例文>

私の長所は計画性があるところです。大学時代のゼミ研究では、発表日から逆算してスケジュールを立て、教授やOBに相談しながら準備しました。

一方で、心配性な一面もありますが、計画通りに進まない場合は積極的に相談し、柔軟に対応しています。細部に気を配り、責任感を持って何事にも取り組んでいます。

 

「計画的」という長所をアピールするために、地道かつ慎重に行動してきたエピソードを紹介しています。

何事も目標から逆算し、現実的なスケジュールを作成して、計画的に物事を実行してきたエピソードを含めて説明。

さらに慎重型ならではの「心配性」という短所を挙げ、短所を補うために心がけている行動まで伝えます。

長所「傾聴力」

<例文>

私の長所は傾聴力です。大学時代のサッカー部主将として、メンバーの悩みや意見に積極的に耳を傾け、解決に向けて努力しました。

ただ、口下手な一面もあり、的確なアドバイスを伝えることに課題を感じていました。そのため、自分の意見を積極的に発信するように意識しています。

傾聴力を通じて人との信頼関係を築き、より良いコミュニケーションを追求することに日々取り組んでいます。

 

傾聴力が高いことを長所として挙げる人は、良い聞き役として、仲間の愚痴や悩みに寄り添ってきた経験があるはずです。

チームメンバーの不満を解消し、目標達成に向けたモチベーション維持に貢献した経験は立派なアピール材料になります。

 

一方、聞き役になりやすい人は、自分の悩みを溜め込みやすかったり、口下手で自分の主張を控えてしまう傾向があります。

「自分はどうしたいのか」、しっかり相手に伝えるスキルを伸ばそうとしていることまでを伝えるのがおすすめです。

長所「面倒見が良い」

<例文>

私の長所は面倒見の良さです。野球部主将として、100人近い後輩たちのメンタルケアや練習のサポートに尽力しました。その反面、おせっかいな点もあり、相手が求めていない時でも手を差し伸べて空回りしてしまうことがありました。

そこから学び、相手の状況を鑑みて適切なサポートを提供することを心掛けています。

面倒見の良さとおせっかいを履き違えないよう、共に成長し、サポートしあう環境を作り出すことに努めています。

 

面倒見が良く、世話焼きな性格を長所としてアピールすれば、入社後も周囲に気配りできる人材であると評価してもらえます。

どれくらいの規模のチームで、誰に対して何をしてあげたかを具体的にアピールしましょう。

 

一方で、相手が求めていないことまでやってあげようとする「おせっかい」な性格を短所として伝えると、一貫性を保てます。

手当たり次第にサポートするのではなく、相手のニーズをくみ取るようにするなど、短所を補う行動まで伝えることが大切です。

自己PRの例文

強み「問題解決能力」

<例文>

私の強みは問題を発見し、改善する力です。 アルバイト経験でも常に「現状より良くする方法はある」と考え、改善点を見つけ出す習慣を身につけました。

得意のお菓子作りを活かし、デザートメニューの改善にも取り組みました。併せてSNSを活用した宣伝を提案し、お店の魅力を発信した結果、集客アップに繋がりました。またポイントカードやメルマガも導入し、リピート率の向上にも貢献しました。

この経験から、日々の仕事においても改善を繰り返すことで、成果を意識した取り組みを行っていきます。

 

問題・課題を解決する能力の高さをアピールする場合、どのような問題・課題に直面したか詳細に伝えましょう。

何をどう解決し、どのような良い影響をもたらしたのか、イメージできるように説明することが大切です。

 

例文では当事者の声をくみ取りながら、ニーズに合ったサービスの提供に成功したことを伝えています。

実際に実績をまとめる際は、その過程で培ったスキルを活かし、入社後もサービス改善に貢献していく意欲を伝えてみてください。

強み「コミュニケーション能力」

<例文>

私は人の本音を聞き出すことができる点が自分の長所だと考えています。バスケットボール部に所属していたのですが、後輩たちの練習に温度差があるように感じていました。

そこで後輩たちに現状をどう感じているのか本音で話してもらえるよう、部活時間外に1人1人に寄り添うようにヒアリングを続けました。

話を聞くと、新人戦に向けてもっと練習したいという気持ちを持っていたことがわかり、普段後輩たちの気持ちを蔑ろにしていたことを反省しました。

この経験から、人の本音を聞き出せるよう親身に真剣に向き合うことを心がけています。

 

この例文では「コミュニケーション能力がある」と直接伝えるのではなく、なぜ「コミュニケーション能力がある」と言えるのかを具体的なエピソードを踏まえて説明しています。

 

コミュニケーション能力をアピールする際は「思いやりの気持ちを大切にしている」「相手の意見を受け入れる」など、「コミュニケーション能力が高そうだな」と思ってもらえるようなポイントを伝えるのがおすすめです。

 

「コミュニケーション能力がある」と言い切ってしまうと、自信過剰なイメージを与えてしまう可能性があるため、極力避けます。

最も説明しやすいエピソードは、対人サービス経験ですが、経験がない場合は日常生活を例に出しても構いません。

 

ゼミやサークルのメンバーとどうやり取りしてきたか、どう対応してきたかなどを思い出してみてください。

相手を気遣い、気持ち良くコミュニケーションを取れる人材であることをアピールしましょう。

強み「主体性」

<例文>

私の強みは主体性があることです。

所属していたチアリーディング部では、関東大会を前に気持ちに焦りが出てしまいチームの息が合わなくなってしまった時期がありました。そこで私は当時2年生でしたが、部のミーティングとは別に学年やポジションの枠を超えた話し合いの場を開き、チームをまとめました。結果として関東大会では優秀賞を獲得しました。

一方で、自分の主張が一方的にならないよう周囲の人の考えを一度受け止めてから発言することを心がけています。チームの協調性を意識することで、仲間と協力して円滑に成果を出すことができていると感じています。

 

主体性があることを伝える場合、現状を変えるために行動したエピソードを盛り込みましょう。

 

例文では目標達成に向け話し合いの場を設け、メンバーが団結できる環境作りによって、実績を挙げたエピソードをまとめています。

ただし周囲を巻き込んで主体的に取り組む姿勢は、「従順ではない」という印象を与える可能性もあります。

 

入社したての新人としては、組織の風土に馴染むことを心がけて、協調し合える人材であることも伝えられるとベストです。

自己PRや長所についてアピールするときのポイント

希望職種と親和性の高い長所をアピールする

志望企業と親和性のある強みや長所をアピールすることは大切ですが、同時に希望職種との親和性も重視します。

 

営業を目指す場合は、「交渉力がある」「コミュニケーション能力が高い」「負けず嫌い」などをアピールするのがおすすめです。

一方、事務職を希望するなら「コツコツと地道に努力できる」「ミスのない正確な入力ができる」などがアピールできるでしょう。

 

必ず希望の部署に配属されるとは限りませんが、強み・長所と業務適性を配慮してもらえる可能性があります。

その点で、強み・長所は入社後のミスマッチを防ぐためにも重要な役割を果たしているのです。

アピールできる数字がなければ印象的なエピソードを盛り込む

アピールする際には具体的な数値とエピソードを盛り込むのが理想的です。しかし、数値を具体的に伝えるのが難しい人もいるでしょう。

「売上目標に貢献できなかった」「大きな実績を挙げたことがない」「業績などに直接関わらない業務内容だった」という人は、エピソードの独自性を武器にしてみてください。

 

企業にとって重要なのは、応募者がどれほどの数字を獲得してきたかではなく、入社後に活躍してくれるかどうかです。

無理やり数字をアピールせず、自分独自のエピソードを盛り込むことで、他の就活生との差別化を図ります。

 

印象に残っている取引先・顧客・出来事などを掘り下げて、自分にしか語れないエピソードを紹介しましょう。

自己PRと長所の両方を聞かれた場合の答え方

自己PRと長所の両方を履歴書に書くよう指示されたり、面接でどちらも説明するよう言われたりすることもあります。

長所は性格を大まかに説明し、自己PRでは詳細に実績を掘り下げる意識を持っておくと、うまく表現を変えることが可能です。

 

例えば、長所が「ポジティブ」の場合は以下のように言い換えられます。

 

長所の説明:「失敗しても原因を分析して、次の成功へとつなげることができます」

自己PR:「ポジティブな長所を活かして、主体的に行動するスキルを磨いてきました。失敗を分析し、チームメンバーに課題を共有して、〇ヶ月で計画実現を成功させました」

 

どちらにも回答する場合、内容はどうしても似てしまうものです。多少似てしまうのは仕方ありませんが、全く同じ回答をするのは避けましょう。

 

どちらも同じ回答をすると、「手抜き」「やる気がない」という印象を与えてしまいます。

長所では自分の性格面に関する説明、自己PRではスキルと実績のアピールに徹することで、表現に変化を持たせることができます。

 

長所では「自分がどのような人物なのか」、自己PRでは「自分がどのような活躍をしたか」を説明してみてください。

自己PRを作れない・長所が見つからないときの対処法

自己PRや長所は、自分1人だけで考える必要はありません。どうしてもうまくまとめられない場合、先ほど紹介した診断ツールを使って、自己分析を行うのがおすすめ。

さらに自分の過去を丁寧に振り返ったり、周囲の人に手伝ってもらったりするのも有効です。

自分史を作り過去を振り返る

出来事

行動

感じたこと

身につけたこと

小学校

中学校

高校

大学

 

自分史を作って、過去の経験を思い出すことで、自分でも忘れていた情報を棚卸しできます。

いきなり昔のことを思い出そうとすると難しいため、現在から大学・高校・中学校・小学校と遡るのがおすすめです。

 

各時期に熱中していたものや思い出、仲の良かった人たちなどを思い出し、自分自身の行動を振り返ります。

殴り書きでも構わないため、思い出したことはすぐにメモすれば、自分の価値観が明確になっていきます。

好きだったこと、逆に嫌だったことから、自分の根本的な性格・思考を把握し、強みや長所を絞り込んでみてください。

家族や友人に他己分析をしてもらう

自己分析だけでなく、周囲の人に自分を分析してもらう「他己分析」を行うのもおすすめです。どれだけ詳細に自己分析しても、自分が認識・把握していない良いところが必ずあるものです。

 

家族や友人など、自分のさまざまな面を知っている人に、自分の性格について質問してみてください。

遠慮して本音を伝えてくれない人もいるかもしれないため、先輩やチームメイトなど、なるべく多くの人から意見を貰いましょう。

 

例えば、自分では「頑固な性格」を短所だと考えていたものの、「粘り強い」という長所に言い換えてくれた友人がいたとします。

このように周囲の人から貰った意見によって、初めて自分の良さに気付ける場合もあります。

 

他己分析を大いに活用して、自分の性格を客観的に把握し、強み・長所を見つけましょう。

自己PRと長所を伝えるときの注意点

仕事を遂行するうえで不利になる短所は避ける

長所と短所の一貫性を意識するあまり、不利になりやすい短所を伝えてしまう人がいるため注意しましょう。

 

具体的には「決断力があり大胆」という長所に合わせ、短所を「細部に目が届きにくい」と伝えたとします。

しかし経理や事務、エンジニアなど、ミスの許されない正確な作業が必要な仕事において、この短所は不利です。

他にも「注意散漫」「時間にルーズ」など、仕事に支障をきたしかねない致命的な短所はNGです。

 

企業にアピールしている自分は、「社会人に必要な良識を備えた人材」であることを忘れないようにしましょう。

根拠を必ず提示する

単に「私の長所は〇〇です」と伝えるだけでは不十分なため、必ず根拠を提示します。

 

強みや長所を伝えるだけではなく、必ず数値やエピソードなどを紹介し、自分の強みと長所を裏付ける情報を伝えなければなりません。

「私の長所は〇〇で、△△をしてきたためです」と、理由とともに説明するスキルは、入社後も重視されます。

 

営業やプレゼンの際、相手を納得させる説明ができるよう、今から結論の次に根拠を伝える意識をしておきましょう。

ガクチカはなるべく使わない

ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を略した就活用語です。強みや長所を紹介する際のエピソードとして、ガクチカを使う人は多いでしょう。

 

しかし、ガクチカが通用するのは新卒もしくは、卒業後3年以内の第二新卒までとされています。

中途採用では即戦力が求められるため、転職活動では避けましょう。

 

転職活動の際は前職でのエピソードを紹介し、仕事で挙げた実績をアピールすることが大切です。

そのため新卒の就活生も、可能であればアルバイトの仕事で挙げた実績をアピールするのがおすすめです。

仕事で挙げた実績をまとめる練習を早期に始めておけば、今後のキャリアで転職活動をする際にも役立ちます。

 

「ガクチカは絶対にNG」というわけではありません。

ただ、なるべく使わない意識をしておくと、社会人にふさわしい自己PRを作成しやすくなるためおすすめです。

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。