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【鉄鋼業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!

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鉄鋼業界ES書き方ガイド

鉄鋼業界を目指す人の中には、ESの書き方で悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

鉄鋼業は、建設業や自動車製造業など日本の主要産業を支える役割を担っており、日本経済の発展において重要な産業といえます。

 

鉄鋼業界には大きく2つの分野に分けられ、「鉄鋼メーカー」と「金属卸事業者」があります。

製鉄製品の製造加工や工業製品販売など、それぞれ事業内容が異なるため、鉄鋼業の中で自分が携わりたい分野を明確にすることが大切です。

 

その上で、鉄鋼業界のESでは何をアピールするべきなのか、質問に対しどのように答えるのが適切なのでしょうか

 

本記事では、実際に鉄鋼業界のESで出題された質問と、突破した人の解答ポイントを基に、詳しい解答例を交えてご紹介していきます。ご自身のES対策の参考にしてみてください。

鉄鋼業界のES設問例

鉄鋼業界で頻出されるES設問例

1実現したいこととその理由(2021年 神戸製鋼所)

2興味をもった理由(2021年 日立金属)

3学業以外で注力したこと(2022年 大同特殊鋼)

4大学で学んだことの活かし方(2021年 共英製鋼)

5企業選択軸(2021年 トピー工業)

設問例1: 実現したいこととその理由

神戸製鋼であなたが実現したいこと、そう考えるに至った理由について述べて下さい。(2021年 神戸製鋼所)

この設問では、志望企業で働く上での目標や目的が定まっているかが問われています。業務内容や職種の特徴などを踏まえ、具体的に伝えることが大切です。

また、志望企業で実現することの重要性や意味、他社では叶わない理由なども考えましょう。

 

テーマを考える際は以下のように分類して考えるのがおすすめです。

  • 社会貢献(社会問題、環境問題解決など)
  • 事業面(事業拡大、海外進出など)
  • 技術面(技術習得、製品開発など)

実現目標が定まっている人は、仕事における行動に一貫性が生まれ、取り組みに対する成果を得やすくなります。

 

また、目標に基づいた行動ができる人は成長性にも期待が持てるため、選考において良い印象を与えられるでしょう。

仕事を通じて何がしたいのか、それにはどんな意味があるのか自分が求めるものとその意味について考えることが大切です。

回答例

私は、自動車用の高強度アルミボディパーツを実現したいです。近年は海外を中心にEV車市場が拡大しており、一部の国ではガソリン車の新規生産を完全廃止する施策も進むほどです。

注目が集まるEV車ですが、燃費性能の課題から自動車構成部品の軽量化が重要視されており、自動車パーツの一部アルミ化が進んでいます。しかし、現在も車体の7割程度は強度に優れた鉄が使用されており、車重が重いのが現状です。

そこで、高強度低重量のアルミ素材を開発し、自動車の金属パーツ全てを軽量アルミで実現するのが私の目標です。これによりEV車市場全体の素材シェア獲得を図り、自動車部品生産を軸に海外進出を進めたいと考えます。

貴社は自動車部品の生産において、既にエンジンフードやトランクリッドなど複数のパーツをアルミ素材で実現しています。高い実績を誇る貴社の知見、技術を学び、目標実現に向けて試行錯誤していきたいと考えています。

☝️ポイント

実現したいこと(目標)については、「その実現にどのような価値があるのか」を考えましょう。
自分の趣向や私的感情に偏らず、企業にとっての価値や社会的意義を踏まえた目標を定めることが理想的です。

設問例2:興味をもった理由

日立金属に興味を持った理由について教えてください。(2021年 日立金属)

この設問では、企業についての理解度が問われています。

志望企業に興味を持つポイントは人それぞれですが、以下のように分類すると回答の軸を考えやすいでしょう。

  • 仕事内容(職種や働き方など)
  • 事業内容(過去の実績や事業展開など)
  • 経営状況(売上高や成長率など)
  • 利用体験(自分が顧客として利用したサービスなど)

上記のように企業について様々な角度から注目し、興味を抱いているポイントを明確にしましょう。その上で、なぜ興味を持ったのか、その理由を具体的に伝えることが大切です。

「魅力を感じた」「感銘を受けた」「共感した」など、どのようなきっかけで興味を抱いたのか考えてみましょう。

回答例

私が貴社に興味を持ったのは、貴社が製造している急速充電器用部材に魅力を感じたためです。近年では世界的にEV車への関心が高まっており、日本国内でも国産EV車が普及しつつあります。

しかし、現状ではEV車用急速充電スタンドの配備地域が限定的なため、今後のEV車普及に伴い全国的に増設が進んでいくと予想されます。その上で、急速充電器に用いられる高周波トランス用部品の製造事業は将来的な市場拡大が期待できる魅力的な分野だと考えます。

私は、成長市場で働くことで知識と経験を積み上げたいと考えているため、貴社のEV関連商品について知り深く感銘を受けました。

また、高周波トランスの低損失化と軽量化を実現できるノンカットコアは、EV車以外の分野にも活用できる可能性があるため、開発工程や拡張性能などについて詳しく学びたいと考えています。

☝️ポイント

解答においては、「興味を感じたポイント」についての自分の考えを明確にし、志望企業に対して深い関心を抱いていることをアピールしましょう。

設問例3:学業以外で注力したこと

学業以外で自分が最も力を入れ、得るものが多かったことについて記入してください(300字以内)(2022年 大同特殊鋼)

この設問では、学業以外でどのような分野に注力してきたか、取り組む過程で意識したポイントや工夫した点などが問われています。

解答においては、経験から得た学びや物事に対する向き合い方などを伝えるのも良いでしょう。

 

意識すべきポイントは以下の通りです。

  • どんな点に注力したか
  • 注力した理由、工夫した点
  • 得られた学び、成果について

上記のような点を意識して解答を考えましょう。

実際の仕事では複数の業務を同時に抱える場合もあり、物事に対し注力すべきポイントを自分で見極めて取り組む必要も出てきます。

 

過去の経験において、なぜそのポイントに注力したのかどんな基準で判断したのかなどを思い返してみましょう。

回答例

私が学業以外で注力したのは、機械工学サークルでのコンピュータ製作です。高負荷な演算処理を実行できる高性能コンピュータを目指して製作に臨み、その過程で150種類以上の部品に触れました。

様々なパーツを組み合わせる作業は難解でしたが、部品に対する理解を深めることで乗り越えました。そこで1つひとつの部品の精密さに感動し、モノづくりに対し魅力を覚えました。

その後目標通りのコンピュータが完成し、私の経験上最も大きな達成感を得ました。この体験から学んだことは、製品の品質を支えているのは部品の品質であるということです。

私は鋼材部品の品質追求に努め、鋼材を必要とする産業に貢献したいと考えています。(293文字)

☝️ポイント

注力した取り組みから何を学んだのか、その学びを仕事にどう活かしたいかを考えましょう。
分野を問わずに
取り組みから学びを得て、仕事に活かす意識を示せると理想的です。

設問例4:大学で学んだことの活かし方

大学で学んだことをどう活かせるか教えてください。(2021年 共英製鋼)

この設問では、大学生活での学びを自分で理解しているか、それを仕事に活かすイメージができているかが問われています。

 

仕事では成功・失敗問わず様々な経験を積むことが予想され、それらを次の行動に活かしていく力が求められます。

経験からの学びを次に繋げる上で大切なのは、「自分が学んだこと」をしっかりと理解し、何にどう活かすかを考えることです。

 

解答においては、大学での学びを明確にし、実際の仕事に活かす方法について伝えましょう。この際、具体的な業務に紐づけることが大切です。

回答例

私は語学サークルで身に着けた英語力を活かし、貴社の海外鉄鋼事業に貢献したいと考えています。

大学では技術学習と並行して英語学習に注力し、一般的な英会話において滞りなくコミュニケーションが取れるようになりました。貴社は「100年企業に向けた成長の鍵」として、世界20カ国以上の国で事業展開に取り組んでいます。

現在はベトナムと北米への展開に注力しているということで、本事業に携わり私の語学力を活かしたいと考えます。英語学習は現在も継続しており、日常会話に加えビジネスシーンでの応用力も高めている最中です。

ここ数年の鉄鋼業界で海外進出が課題となっていることを知り、海外で活躍できる技術者を目指して学習に取り組んできました。

入社後は現場で貴社事業への理解を深め、その上で海外事業に携わり貢献したいと考えています。

☝️ポイント

学んだことをどのように業務に活かしていくのか、志望企業の仕事内容を踏まえて具体的に伝えましょう。

学業での学びや挑戦から得た学びなど、自身の付加価値としてアピールできるような学びを軸に考えてみてください。

設問例5:企業の選択軸

 企業を選ぶ際に重視する点を教えてください。(2021年 トピー工業)

この設問では、企業選択において明確な軸を持っているかきちんと判断した上で志望しているかが問われています。

 

企業選択の際に軸に基づいて決定しているかどうかは重要な点で、入社後のミスマッチや仕事の定着率などに関係してきます。

 

解答においては、自分の中で定めた軸に基づいて志望している意思を伝えましょう。

意識するポイントは次の通りです。

  • 重視している点
  • 重視している理由
  • 志望企業と合致した点

上記3つのポイントを意識して、順序立てて解答すると良いでしょう。

志望企業のどのような点が自分の軸と合致したのか、はっきりと示すことが大切です。

回答例

私が企業を選ぶ際に重視しているのは、グローバル展開への積極性です。日本の鉄鋼業界は海外諸国と比較しても高い生産量を誇っていますが、国内市場の成長率は低下傾向にあるといえます。

これに伴い国内メーカー各社で余剰生産力を絞る動きがありますが、海外市場を開拓できれば生産力を余すことなく活用でき、安定的な売上確保が実現できると考えます。

以上の理由から、鉄鋼業界の中で志望企業を絞り込む上で、海外展開への取り組みを重要視しています。日本の鋼材は海外諸国からも品質の高さが評価されているため、海外での流通経路さえ整備できれば市場シェアを獲得するのは可能だと考えています。

鉄鋼業界の各メーカーについて調べる中で、貴社が世界各国に拠点を設けていることを知り、グローバル事業拡大への積極性を感じたため志望いたしました。

☝️ポイント

企業選択軸については、志望企業に関連する要素を必ず含めましょう。考え方としては、志望理由や目標、やりたい仕事などを基に考えるのがおすすめです。

 

自己PRの書き方

自己PRの書き方

自己PRの本質

自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。

ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。


評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。

また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。

企業が自己PRを聞く意図は2点あります。


1人柄を知る

企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。

企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。

逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。


2自己分析ができているか知る

自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。

自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。

しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。

自己PRを書くためのポイント

求める人材に即した「強み」を決定する

企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。


自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。

  • 個人として努力し、成果を上げることができる
  • 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
  • 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる


アピールしたい「強み」を論理的に述べる

上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。

1強み:あなたの強みは?

2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?

3強みを表す具体的エピソードは?

4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?

5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?

引用:unistyle

※自己PRを書く際のポイント

・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること

鉄鋼業界はどんな人材を求めているのか

鉄鋼業界の求める人材

鉄鋼業界が求める人材
  • 仕事における目標が明確な人
  • 学業以外で物事に注力した経験がある人
  • 経験からの学びを理解し、次に活かせる人
  • 企業選択の軸が明確な人

仕事における目標が明確な人

実現したい目標を明確に定めることで、仕事への取り組みに一貫性が生まれます。

同じ業務を経験する場合でも目標が明確な人とそうでない人では取り組み方や熱意に差が出るため、入社前から目標設定が出来ている人が求められる傾向があります。

 

業務内容や職種の特徴などを踏まえ、自分の目標を具体的に定めておきましょう。

学業以外で物事に注力した経験がある人

鉄鋼業界は様々な産業で活用される鋼材資源を扱う業界です。そのため素材レベルでの品質向上や改善などが求められ、技術力が仕事の成果に繋がってきます。

 

そうした環境下で成果を出すには、製鉄技術の向上や品質追求に熱意を持ち、試行錯誤に繰り返し取り組む必要があります。

そのため、学業以外の分野でも熱意を持って主体的に注力した経験がある人が求められます。

経験からの学びを理解し、次に活かせる人

仕事では多くの経験をすることが予想され、そこから学べることも様々でしょう。

重要なのは、学んだことの1つひとつを着実に次に活かしていくことです。

 

そのためには、自分が何を学んだのかを明確に理解しておく必要があるため、これまでの自分の学び、今後の活かし方について自分で考える力のある人が求められます。

企業選択の軸が明確な人

企業が新卒社員を採用する上で大切なポイントの1つが、入社後のミスマッチを減らすことです。

企業と新卒社員の間で理解の行き違いが起こり、早期退職に繋がるケースもあります。

 

こうしたトラブルを防ぐために、企業選択の軸が明確な人、自分の考えに基づいて志望している人が求められます。

 

近年の鉄鋼業界では、国内需要の低下に伴い海外進出が重要視されています。

国内メーカーの生産力自体は世界的にもトップクラスであるため、海外市場の開拓が業績拡大のキーポイントと考えられています。

 

また、環境問題への関心が世界的に高まっていることを受け、鉄鋼業界でも省エネ製品に活用される鋼材の開発や、Co2排出低減への取り組みが求められています。

志望する際鉄鋼業界が抱える環境課題などへの理解も深めておき、ESや面接で自分の考えを述べられるように準備しておきましょう。

 

鉄鋼業界が抱える課題と、今後期待される分野への理解を深めた上で、完成度の高いESに仕上げてみてください。

監修者画像

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。