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【日本製紙|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!

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面接攻略ガイド

日本製紙はグループ会社で、この日本製紙を中心とした160社以上の子会社や関連会社で成り立っています。日本製紙は、紙・パルプの製造から起業し、木を起点として様々な事業を派生させ展開しています。

 

また特に自分たちの会社を総合バイオマス企業として位置づけています。バイオマスとは、「生物(動植物)が生み出す持続的に再利用可能な有機性資源」を言います。

 

日本製紙のいう「バイオマス企業」とは、特に木質資源を使って、持続可能な社会に貢献するため、幅広い事業を行う企業を意味しています。

 

本記事では、日本製紙の事業内容をはじめとした企業研究に役立つ内容を解説しています。

この「日本製紙の面接対策」を参考に、企業についての理解を深めて本採用を目指しましょう。

 

製紙業界の「業界研究」や「ESの書き方」などは、下記記事を参考にしてください。

日本製紙の面接の傾向

面接の傾向

日本製紙の採用は、募集職種別に微妙にフローが異なっています。

募集職種

仕事内容

採用フロー

募集学科※

事務木材系

営業、生産計画、原材料調達(資材・古紙・木材調達、海外植林)、経理・財務、総務、人事、情報システム、経営企画など

エントリー

→会社説明会

→書類選考

→面接(複数)

→内々定

学部・学科不問

研究生産系

研究開発、技術開発・品質管理、生産技術など

化学分野の学生

機械系

プラントエンジニアリング、生産技術、エネルギー管理など

エントリー

→会社説明会・工場見学会

→書類選考

→面接(複数)

→内々定

機械、精密機械、金属、制御、化学工学など

電気電子系

電気・制御設備エンジニアリング、エネルギー管理など

電気、電子、計測、制御、情報工学など

参考:募集職種・採用ステップ・専攻と募集職種|日本製紙
※さらに詳しくはこちらのページで確認ください。

 

それぞれの段階における参加者の体験から印象と傾向を、以下にまとめておきます。

説明会・工場見学会

説明会自体に選考の意図はありませんが、後に書類選考に必要なエントリーシートの配布や選考テストが行われるようです。

企業を知るために質問できる機会もあるようなので、分からないことは積極的に聞いておくとよいでしょう。

グループディスカッション

今回提示されているフローにはディスカッションの明記がないので、コロナ禍で自粛している可能性があります。

選考に組み込まれていた時には、6人1つのグループで課題について話し合い、チームで結論を出すといったものでした。提示された問題への分析力、自身の発言の周りへの影響力を評価されると体験者が語っています。

面接

面接前にメールにて聞かれる内容や選考で重視するポイントが送られてきます。

事前準備ができるので、しっかり試行錯誤して回答を作成しておきましょう。

 

1次面接面接官2人に対して学生1人最終面接面接官5人に対して学生1人となっています。

聞かれる内容としては、突飛なものはないようですが、内容に関しては深堀りされる傾向にあります。

和やかな雰囲気の中で行われるようです。

日本製紙の求めている人材

求めている人材

日本製紙の求めている人材
  • 新しいことに挑戦し続ける力
  • 公正に判断し実行できる力
  • 周囲を巻き込むチームワーク力
  • 困難を乗り越えられる強い精神力

              参考:採用メッセージ|日本製紙

 

求めている人材に関しては、分かりやすく採用情報に提示されています。

これをみると、自分の考えをしっかり持ち、主体的に動けることを重要視していることがわかります。

 

また、その価値観や考えが自己満足に終わることなく、客観的に判断でき周囲との協調もはかれることも大切とされています。

 

日本製紙の採用コンセプト「未来を拓く人」です。「社会や企業に貢献するために、積極的に動くことができる」ことをアピールしていきましょう。

 

☝️ポイント

日本製紙は、未来を担う素材であるセルロースナノファイバーの開発研究や、バイオマス発電能力の向上など、新しい事業展開に積極的です。
人材としても、新しいことにチャレンジすることや自分にない価値観を喜べることを求めているので、それに見合ったエピソードを用意しておくと良いでしょう。

日本製紙の面接攻略法

面接攻略法

日本製紙の面接で押さえておきたいポイントは、下記の2点です。

  • 企業の事業内容
  • 企業が行っている未来への取り組み

 

製紙業界はペーパーレスの時代に入り、純粋な製紙業のみでは業績伸び悩みが起こっています。そうしたなかで日本製紙の拡大している業務内容や重きを置いている事業を把握しておく必要があります。

 

また、将来に向けて企業として貢献していきたい想いを理解しておくことも大切です。

 

その2つをしっかり理解したうえで、競合他社である企業との違いも押さえ、志望動機をはじめ、なぜ入社したいのかという内容を固めていきましょう。

企業の事業内容

日本製紙の事業の基本は、木という資源にあります。再生可能な木をすべて無駄にすることなく活用するという視点から事業の展開をしています。

木からつくられる素材や木に関連する技術を活かした6つの事業が中心となっています。下記にまとめているのでチェックしておきましょう

 

1)紙

製紙においては、洋紙国内シェアナンバーワンを誇っています。

今後は国内だけではなく、特に需要の高いアジア・環太平洋地域を中心に、グローバルに事業を拡大していきます。

 

2)紙パック

環境問題に注視し、再生可能な紙のパッケージ開発を続けています。

紙パックは、紙の製造から充填(中身を詰める作業)、その充填機のメンテナンスの全てを一連として行っており、これにより高い品質と衛生性を保っています。また、デザインにもこだわれる強みもあります。

 

その他、バリア機能を要したものなど、新しい機能開発も手掛けています。バリア機能とは、酸素などで中身が劣化しないよう防ぐ機能を持った紙パックです。詳しくはこちらを読んでおきましょう。

 

3)ケミカル

木の主要成分である「セルロース」「リグニン」を廃棄することなく利用するために、化学製品を製造しています。

たとえば、レーヨン、ビルのコンクリート、食品、車の塗料、液晶ディスプレイ用フィルム等を造っています。

 

4)新素材

日本製紙といえば、セルロースナノファイバーが有名です。

セルロースナノファイバーは、木の繊維を細かくした新しい素材で、最先端のバイオマス素材と言えるでしょう。

 

この素材は、製品としては強度があがる、軽い、そして膨張性が低い点で、また環境においては廃棄するのに有害性がなく、環境負荷が低い点で注目されています。さらに詳しく知りたい方はこちらを読んでおきましょう。

 

5)エネルギー

日本製紙では木質バイオマスを利用し、電力発電を行っています。

 

6)農業

植林の技術を活かして、苗木を育てています。

自然では育てるのが難しい苗木の安定供給ができることを目指しています。

参考:日本製紙の事業紹介|日本製紙

 

企業が行っている未来への取り組み

大きくは「持続可能な社会の実現」です。具体的な取り組みとしては、以下の通りです。

 

森林の経営 

まずは木を育て、カーボンニュートラル(木材を利用する際に発生するCO2は木が吸収するCO2 と相殺され、大気中のCO2は増加しないという考え方)を徹底しています。

 

バイオマス発電

日本製紙は、製造の過程で使う電気を自家発電をしており、その発電能力は電力会社を除くと国内最大のものとなっています。

使用電力の4割が木質バイオマス燃料などの非化石燃料であり、バイオマス企業たるゆえんとなる発電事業は、きなプロジェクトとして今後も発展していくでしょう。

プロジェクトの一つとして「石巻雲雀野発電所バイオマス混焼発電プロジェクト」も押さえておきましょう。

 

紙製造・リサイクル

日本製紙では、紙の原料の実に5割以上が古紙の再利用になっています。

「紙でできることは紙で」を合言葉に「紙化ソリューション」を進めています。

日本製紙で実際に聞かれた質問

実際に聞かれた質問
  • 志望動機
  • 学生時代に特に力を入れたことは何ですか。
  • 学生の頃の研究内容について
  • 長所と短所をエピソードを交えて教えてください 
  • 今までの困難だったエピソードと、それをどう乗り越えましたか
  • 入社してからやりたいことは何ですか
  • なぜその仕事がしたいのですか
  • 高校時代には何をしていましたか
  • 他社の選考状況
  • 日本製紙に対して質問・疑問がありましたらどうぞ。

面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度が目安となります。

1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。

臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間間隔を身につけることも大切です。

実際に聞かれた質問の中から今回は3つ、回答例と併せてポイントをご説明します。

学生時代に特に力を入れたことは何ですか

<回答例>

私は、体育会の活動に力を注ぎました。中学から続けているバレーボールに真剣に取り組みたい思いがあり、サークルではなく体育会を選びました。

問題はコロナ禍であり、試合どころか集まることが難しく、仲間意識が薄れてしまうことでした。私は試合が再開されたときにチームワークに問題が出てしまうことを考え、月に一回オンラインミーティングを企画しました。

自分は主将ではなかったので勇気が必要でしたが、まずは主将に声をかけ、二人で内容を企画し、実行しました。実際、私が3年生になるタイミングで試合が再開されましたが、ミーティングの交流で培ったチームワークは活かされ、いい雰囲気で勝ち進むことができました。

この経験から私は、上に立つ立場でなくても熱意と誠意があれば人を動かし、物事は変えられると学びました。御社でも、しっかり自分自身の意見を持ち、仕事によりよい影響を与えられる発言ができるよう率先して実行していきたいと考えています。(405文字)

 

日本製紙の求める人材を意識し、主体性をもってなにかを成し遂げたエピソードや、困難だったことを乗り越えたエピソード、または新しいことにチャレンジしたエピソードなどを盛り込むとよいでしょう。

その体験が仕事に活かせることも合わせてアピールします。

入社後にしたいことはなんですか

<回答例>

私は御社のセルロースナノファイバーを食品分野で応用できる道を探り、提供していきたいです。

セルロースナノファイバーを知ったのは、説明会に参加させていただいた時です。気になり調べると、食物にも車にも使用されている環境にも配慮した未来の期待を背負う素材であると知りました。

私は食べるという毎日行う行為を充実させることで人生を豊かにしたいと、食品メーカーを中心に就職を考えていたのですが、御社の存在を知り、食の可能性を広げる素材そのものに携われることに大きな魅力を感じました。

御社はいち早くセルロースナノファイバーの可能性に着目しており、食品や化粧品への活用に向けて精力的であると感じ、志望しました。御社でセルロースナノファイバーの食品への可能性を追求したいです。(328文字)

 

製紙業界をなぜ志望し、そこでやりたいことは何なのかをしっかり考えましょう。

日本製紙は、少数精鋭主義としています。自分が成し遂げたいことをはっきり持った人材を求めていることは明らかなので、曖昧なぼんやりしたことではなく、具体性を持った内を示しましょう。

長所と短所を教えて下さい

<回答例>

私の長所は、どんな困難でも成長する機会ととらえやり遂げることです。

学生の時、アルバイト先でコロナ感染者が多数出てしまい、シフト外の出勤をお願いされました。時期を同じくしてゼミのグループ発表を控えており、リーダーとしてまとめなければなりませんでした。

仲間がリーダーを代わろうかといってくれたのですが、責任感と成長のチャンスだと感じていたので、睡眠を削ればやり遂げられると思い、どちらも手を抜くことなくやり遂げ、評価を得ました。

また、私の短所は一人で抱え込むことです。

自分の力でやり抜くことが美徳だと考え、誰にも助けを借りずにやり遂げてきましたが、大切なことは「仲間を頼ること」であることに気が付きました。

頼るのは相手を信頼することでもあり、チーム全体の雰囲気作りにも繋がります。

これからは、抱え込まず、冷静に判断し、チーム全体がよりよい結果になるよう判断していきたいです。(385文字)

 

短所は示すのが難しいですが、自己分析がしっかりできているかがポイントとなることを押さえておきましょう。

短所を示した上で、それを改善したい想いや、考え方を変えたい意志を示しておくことを忘れないようにしましょう。

面接前にチェックすべきこと

面接前にチェックすべきこと

日本製紙の新卒情報

募集職種

総合職

事務林材系・研究生産系・機械系・電気電子系

募集人数

50名程度

採用フロー

エントリー→会社説明会(機械・電気電子系は工場見学)→書類選考→面接(複数)

※研究生産系、機械系、電気電子系は学校・教授推薦で応募もあり

募集学科

1.事務林材系

 学部・学科不問

2.研究生産系

 化学分野の学部学科

3.機械系

 機械、精密機械、金属、制御、化学工学など

4.電気電子系

 電気、電子、計測、制御、情報工学など

面接

最終面接含め1~2回の面接 

日本製紙の事業内容

  • 紙パルプ事業
  • 紙パック事業
  • ケミカル事業
  • エネルギー事業
  • 新事業の展開

 参考:マイナビ2023

 

業界大手3社は、王子HD、大王製紙、日本製紙です。

2022年売上高ランキングで見ると、王子HD、日本製紙、レンゴー、大王製紙の順番となります。

 

業界全体としてはデジタル化による紙媒体離れがありつつも、ネットショッピングの発展でダンボールの需要が増えたことと、環境問題の意識からプラスチック製品から紙製品への移行が進んでいることにより、売り上げに関しては全体的に明るい見通しが立っています。

 

また、新素材のセルロースナノファイバーへの注目度はかなり高く、今後の企業の成長のカギとなることは間違いないでしょう。

 

日本製紙の面接では、「なぜ他の製紙企業でなくうちなのか」ということを問われることもあります。

セルロースナノファイバーの製造と開発において、早くから注目し王子HDと時期を同じくして取り組んでいます。

王子HDではなく日本製紙を選んだ明確な理由は用意しておいた方がいいでしょう。

 

製紙業界において日本製紙は、王子HDに次いで2番手の位置にいる企業です。

違いとしては王子HDは段ボールをはじめとするパッケージ製造に重きを置いて事業を展開させています。新素材のセルロースナノファイバーやバイオマスプラスチックの開発研究も積極的です。

 

対して日本製紙は、どちらかといえばバランスよく事業を展開しています。

新事業、紙パルプ事業、紙パック事業、ケミカル事業、エネルギー事業を持続可能な社会を実現するべく、均一に力を入れて進めています。

 

他社との差別化を明確にし、同業他社との比較について質問された際、的確に回答できるようにしましょう。

参考:セルロースナノファイバー
業界動向

日本製紙の社風は?

日本製紙の総合職の採用方針は「少数精鋭主義」であり、全員が将来のビジネスリーダーとしての活躍が期待されています。そのため、社員一人ひとりが「自ら何をすべきか考え、それを成し遂げる挑戦的な『自律型人材』」であってほしいと考えています。そのような想いから、若手社員のうちから「大きな仕事」に挑戦できるチャンスを数多く用意しています。

引用:教育制度|日本製紙

 

ここに書かれているように、日本製紙では経験は関係なく、挑戦したい意欲があれば第一線で活躍できる土壌が用意されています。

 

岩国工場
工務部
井手口弘樹さん

日本製紙は若いうちからスケールの大きな仕事に携われる会社です。扱う金額も動かす人の規模も大きく、いろいろな挑戦ができる風土があります。私の場合、これまでに同じ仕事は一つもありませんでした。責任もあるし、個人に求められるものは大きいですが、やり遂げたときの達成感はなにものにも代えがたい。

引用:社員紹介|日本製紙

岩国工場
工務部
津嘉山あずみさん

懇親会で会社の先輩たちと話したとき、どの方もすごく楽しそうに仕事のことを話していたのが印象的でした。社員同士も和気あいあいとした雰囲気で職場環境が良さそうだと感じ、こんな雰囲気の会社で働きたいと思い、入社を決めました。

引用:社員紹介|日本製紙

研究開発本部
基盤技術研究所
佐治薫さん

同業他社もある中で、日本製紙に決めた理由は「人」です。大学院生として製品の展示会に行ったときに日本製紙の社員は親切に説明してくれましたし、会社説明会や採用に至るまでのやりとりでも先輩社員の対応がとても丁寧でした。実際に入社した今も、その印象は変わりません。

引用:社員紹介|日本製紙

原材料本部
林材部
星野真有美さん

入社後も、非常に誠実で、「やるときはやる!」という社員が多いという第一印象は変わらず、これまでに出会った上司、先輩、同僚も一緒に働けてよかったと思える人ばかりです。

引用:社員紹介|日本製紙

 

上記の社員紹介の中で社員が語っている内容からも、雰囲気が和気あいあいとしていて、働きやすい社風も伝わってきます。

 

この他にも社員紹介ページから、キャリアアップの具体的なイメージが掴めたり、先輩たちが日本製紙を選んだ理由など、参考になる情報がたくさん掲載されています。隈なくチェックしておきましょう。

日本製紙の過去実績

採用倍率

日本製紙の採用倍率として情報は見当たりませんでしたが、内定率は9%であるといわれています。

ESの通過率は80%を超えているとの情報もあるので、面接重視で選考が行われる傾向にあります。

 

ちなみに、一次面接の通過率は2割強二次面接1割強となっているようです。

 

採用大学

東京大、北海道大、早稲田大、慶應大、明治大、九州大、日本大、中央大、京都大、同志社大、青山学院大、立教大 など

採用の多い大学としては東京大、北海道大、早稲田大、慶応大という名前が並ぶため、ある程度学歴を見ているのではないかという予測もたちます。

しかし、面接重視の選考のため、中堅層にも採用のチャンスは低くないようです。

徹底した対策を!日本製紙の選考を有利に進めよう

徹底した面接対策をしよう

日本製紙では、「少数精鋭主義」というように、即戦力になることも求められています。

「これから学んで成長し御社に貢献します!」という姿勢より、「すぐ大きなプロジェクトに参加したい」意欲を示せるとよいでしょう。

 

そのためには、企業が何をしていて、何を目指しているか、しっかり確認して面接に挑みましょう。

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。