【ゴム・タイヤ業界業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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様々な産業で活躍する「ゴム」や、自動車に欠かせない「タイヤ」などを扱っているゴム・タイヤ業界。
ゴム製品には様々な種類があり、その中でもタイヤは特に大きな市場をもっているため、「ゴム・タイヤ業界」としてまとめて扱われる場合が一般的です。
現代社会におけるゴムの用途は広く、生活用から工業用まで目的ごとに多様な製品に加工されています。
水周り関連の製品や強い振動が発生する機械など、ゴムが必要不可欠な製品も多く存在するため、ゴム・タイヤ業界は無くてはならない産業のひとつです。
ゴム・タイヤ業界を目指している学生の中には、ESで何をアピールしたらいいのか、質問へどのように答えればいいのかが分からないという人もいるのではないでしょうか?
そんな人のために、実際にゴム・タイヤメーカーのESで出題された質問と、突破した人がどのように回答したのかをポイントと合わせてご紹介していきます。
過去の出題と回答例を把握し、確実なES突破を目指しましょう。
本記事でご紹介する注目ポイントなども踏まえて、ご自身のES対策の参考にしてください。
ゴム・タイヤ業界の採用動向や面接対策については、下記で詳しく紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
目次
ゴム・タイヤ業界のES設問例
1当社のイメージと志望動機について(2021年 ブリヂストン)
2横浜ゴムで作ってみたい製品は?(2021年 横浜ゴム)
3チャレンジしたいこと(2022年 住友理工)
4興味を持っている企業(2022年 オカモト)
5継続して続けていること(2022年 西川ゴム)
設問例1:当社のイメージと志望動機について
当社に対してどのようなイメージを持っていますか。また、当社のどのような部分があなたの志向にマッチして、今回の応募に至りましたか。その理由と併せてご記載ください。(500文字以下)(2021年 ブリヂストン)
ここでは、「企業へのイメージ」と「志望理由」を一緒に回答することが求められ、自分の志向と志望理由の一貫性を問われる形になっています。
この質問で見られているのは次のような点です。
- どんな志向、考えの基に応募したのか
- 企業のどの部分が志向とマッチしているのか
回答の考え方としては、最初に「志望理由(なぜ応募したのか)」について考えてみると良いでしょう。
例えば、志望理由が「盤石で経営が安定しているから」という場合、企業に対するイメージは「経営基盤が安定した盤石な企業」と考えることができます。
さらに志望理由から逆算すると、この場合の自分の志向は「安定した企業で働きたい」ということになります。
このように、志望理由を軸に企業イメージや自分の志向を考えてみると回答を整理しやすくなります。
回答例
私は貴社に対し「ブランド力の高い企業」というイメージを持っています。
志望企業を決める際、複数あるゴムメーカーを比較する中で私が最も重視した点が、企業のブランド力の高さです。近年はタイヤをはじめとするゴム製品の性能水準が平均的に上がっており、メーカー間での競争が激しくなっているように感じます。そうした中で顧客の関心を引き、信頼と売上を築くために不可欠な要素のひとつがブランド力です。
製品の機能やコストパフォーマンスを高めるのみでは、価格競争の波にのまれ苦戦を強いられてしまう現代では、貴社のようなブランド力を持つ企業は盤石といえます。
特に、スタッドレスタイヤで展開している「ブリザックシリーズ」のブランドイメージは不動であり、消費者からの信頼は群を抜いている印象です。
機能・性能面のみでの差別化が困難になりつつある近年、業界をけん引していくのは商品力とブランド力を兼ね備えた企業であると私は考えます。この私の志向に合致したのが貴社であり、その盤石な基盤の上で製品開発に打ち込みたいと思い応募いたしました。(452文字)
企業に対するイメージや志向とマッチした点について、抽象的な表現で収まらないように注意しましょう。
「企業の〇〇な所にこんなイメージを持った」や「〇〇な部分が私のこんな志向とマッチした」など、具体的な例を混ぜることが大切です。
設問例2:横浜ゴムで作ってみたい製品は?
ここでは、横浜ゴムが実際に手掛けている製品を基に具体的な考えを述べると良いでしょう。
MB(マルチプルビジネス)とは、横浜ゴムの「多角化し、拡大する事業」の総称で、横浜ゴムが扱う幅広いゴム製品事業などを指します。
この設問で重視すべきポイントは以下の通りです。
- 実際の製品を基に考えること
- その製品によって何が得られるのかを考えること
- 横浜ゴムでしか作れない理由をセットにすること
まず、横浜ゴムのビジネスモデルに沿った希望にするために、実際の製品を基にして考えてみましょう。
また、「その製品を作ることによって何が得られるのか」「何のために作る製品なのか」という点もセットで考えてみると良いです。
注意点として、「その製品は他の企業でも作れるのでは?」と思われないように、「横浜ゴムでしか作れない」という要素を交えるようにしましょう。
横浜ゴムの強みや特徴を把握した上で回答を考えることが大切です。
回答例
私は、「電気自動車専用のブランドタイヤ」を貴社で作りたいです。貴社の自動車用タイヤは一般用、競技用共にユーザーの高い信頼を獲得しており、タイヤのラインナップも豊富です。装着する車のボディタイプに合わせて設計されたタイヤは、燃費性能や走行性能が追求されたプレミアムタイヤと言えます。
そうした商品群の中に新たに電気自動車専用のブランドタイヤを加え、国内外問わずEV車の標準装着タイヤとして売り出します。新分野の「標準装着タイヤ」としてのポジションを確立するのは容易ではないですが、これまでに貴社が築いてきたタイヤメーカーとしての信頼、実績を用いれば実現可能だと考えます。
電気自動車は従来のガソリン車と原動力が異なるため、走行可能距離で課題を抱えている現状があります。そこで、「燃費性能を高めること」「電気駆動に適したトレッドパターンを採用すること」の2点を軸に開発を進め、電気自動車の性能を最大限引き出せるタイヤを開発したいです。
多様なボディタイプに対応したタイヤを数多く開発してきた貴社でこそ、電気自動車専用のタイヤを生産できると考えています。
この例文は、「貴社でなければならない理由」が明確に伝わる構成になっています。
そうすることで、やりたいことや志望動機を伝える際に効果的に意欲が伝わるようになります。
回答を考える際は、志望企業ならではの製品や実績を基にすると良いでしょう。
設問例3:チャレンジしたいこと
この質問では、入社後の明確な目標や目的を持っているかを問われています。
設問条件に「志望動機も踏まえて」とあるので、チャレンジしたいことと志望動機を結び付けるように回答を考えるのが良いでしょう。
構成としては、「〇〇にチャレンジしたい、理由は〇〇な志望動機があるから」というイメージです。
文頭で何にチャレンジしたいか結論を述べ、その理由として志望動機を伝える流れがスムーズでしょう。
回答例
私は、貴社で「EV用コネクタシール(セパレート/一体ゴム栓)」の海外展開にチャレンジしたいです。私が貴社を志望したのは、貴社が生産している自動車ハーネス用のゴムシールに魅力と可能性を感じ、その開発・拡販に携わりたいと思ったためです。
特にEV用コネクタシールは近年のEV車需要増加の流れを捉えた製品であり、今後の期待値が高いと考えられます。そしてEV車の生産・販売は諸外国を中心に加速しており、国外への販路を確立できれば会社として大きな利益を得られるはずです。
近年のEV化促進の世界的な流れと貴社製品の相性は非常に良く、こうした時代的なビジネスチャンスの機会に身を置き働きたいと考えています。(295文字)
「チャレンジしたいこと」は企業の事業内容と密接に関わっていることを意識しましょう。
この内容が具体的であるほど志望動機の説得力が上がり、志望度の高さも伝わりやすくなります。
また、「そのチャレンジから何を得たいのか」についても考えておくと、面接などで深掘りされた際に印象の良い回答ができるでしょう。
設問例4:興味を持っている企業
ここでは、あなたが興味を持っている企業・業界について純粋に答えるのが良いでしょう。
ただし、以下のポイントを踏まえることが大切です。
- 志望企業と興味を持っている企業、業界の関連性を考えてみる
- 「企業の優劣」で比較せず、「可能性や関連要素」など明るい基準で考える
- 現在の志望動機を広げる形で理由を伝える
イメージしづらいのは「現在の志望動機を広げる形で理由を伝える」という点ですが、これについては、「私は〇〇がしたくて貴社を志望していますが、この仕事の先にある△△にも興味があり、他の業界も気になっています」という流れで伝えるのがおすすめです。
これにより、「意欲の高い人材」として明るい印象を与えられます。
回答例
私は現在、「家具メーカー」にも興味を持っています。私が貴社を志望した理由は、貴社製品の「自動車内装表皮材(プラスチック表皮材)」のクオリティに感銘を受けたからです。貴社の各種レザー素材は表面の質感や光沢が魅力的であり、装着される自動車の高級感を際立たせています。
この素材の住宅インテリアへの活用を考えると、実にスタイリッシュな住空間が想像でき、レザー表皮材を用いた家具生産にも興味を抱いています。(198文字)
他業界・他企業への興味を示す際に、志望企業へマイナスの印象を与えないことが大切です。
そのため、志望企業と他企業を比べるのではなく、「志望企業に関連する要素」を軸に考えるのがおすすめです。
志望企業に感じている魅力や強みを、他の分野でどう活かせるか想像してみましょう。
設問例5:継続して続けていること
この質問では、受験者の継続力が問われています。企業に勤め、1つずつ仕事を覚えながら成果を挙げていくには、継続力は必須であると言えます。
例えビジネスモデルがシンプルな企業であっても、実際は多くの業務が結び付いて利益に繋がっている場合も珍しくありません。
業務の中には、覚えるのに一定以上の時間が必要なものや地道な作業も存在するでしょう。
これらを踏まえ、回答を考える際は、以下の点を意識しましょう。
- 継続力をアピールしやすいものをテーマにする
- 長年継続したことによって得られたもの、今後に活かせる点を伝える
回答例
私は、「朝のランニング」を約5年間継続しています。時間は30分程度で、平均5kmのコースを走っています。ランニングを始めたきっかけはダイエット目的でしたが、今では習慣になり走ること自体を楽しみながら続けています。
最初の頃は辛く感じることも多く、辞めてしまおうと思う瞬間は何度もありました。しかし、走り切った時の爽快感と達成感が大きいこと、健康面での成果も得られることで今日まで続けられています。当初の目標通り痩せられたことも成果の1つですが、それ以上に精神的に安定するようになったメリットが大きいです。
1日のスタートである朝に運動をし、達成感からその日を始めることでその後のモチベーションや集中力を高く保てるようになりました。健康を維持しながら活動全体のパフォーマンスを上げてくれるこの習慣を今後も続け、貴社で精力的に働きたいと考えています。
ここでは、「何をどれくらい続けているのか」「続ける中でどんなことを感じたか(学んだか)」など、継続の背景や学びなどを具体的に示すと良いでしょう。
また、「辛い点もあったが続けられた」というエピソードがあると継続力をアピールしやすいです。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
ゴム・タイヤ業界はどんな人材を求めているのか
ゴム・タイヤ業界全般的に求める人材の特徴として下記が挙げられます。
- 入社後の自分について(仕事について)イメージできる人
- 将来の目標を持って働ける人
- ゴム製品に興味を持ち、想像力を備えた人
- 継続力のある人
入社後の自分について(仕事について)イメージできる人
ゴムの用途は幅広く、様々な産業でゴム製品が活躍しています。
そのためゴム・タイヤ業界は他の業界の変化に素早く対応することが求められ、スピード感が重要な仕事でもあります。
周囲の環境変化に適応していくためには、「何が必要か」「何をするべきか」を常に考え、自分で判断する力が必要となるでしょう。
自分は今(今後)どんな仕事をするべきなのか、何に注力する必要があるかを考えられる人は活躍が期待できそうです。
将来の目標を持って働ける人
ゴム製品の研究・開発は継続的な検証、挑戦が求められる業務であり、時には思うように成果が出ない場合もあるでしょう。
そうした際に挑戦を継続できるのは、「目標を持って取り組める人」です。
仕事の中で困難や苦しい状況に陥っても、自分で定めた目標を軸に踏ん張れる人が成果を残せる人材になります。
常に長期的な視点を持ち、達成したい目標を見据えながら仕事に取り組めると良いでしょう。
企業ごとに採用傾向はみられるものの、「ゴム製品への理解・興味」「仕事への目標」や「継続力」などが重要視される業界になります。
しっかりと自分のこれまでを振り返り、なぜその会社を志望しているのか、ゴム・タイヤにどのように関わりたいのかを言語化して論理的なESに仕上げていきましょう。
近年のゴム・タイヤ業界は、自動車のEV化による部品需要の変化や、グローバル化の課題によって技術革新が必要不可欠と言われています。
特に海外タイヤメーカーとの市場競争は激化しており、独自の強みや商品力の追求が求められているのが現状です。
商品開発への熱意や市場開拓の意欲、海外メーカーへの関心など、今後の市場を見据えた姿勢をアピールするようにしましょう。
志望動機や入社後の夢、作りたい製品や今後の目標など、各設問での一貫性を意識しながら全体として完成度の高いESに仕上げていきましょう。