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【博報堂|面接攻略ガイド】採用傾向から実際に聞かれた質問まで徹底解説!

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最終更新日:

面接攻略ガイド

広告代理店業界は、基本的にはマスメディアなどの広告媒体から広告枠を取得して、広告主に販売して手数料収入を得る事業を行っている業界です。

 

広告代理店業界は、テレビや新聞、デジタル媒体など、あらゆる広告媒体を取り扱う「総合広告代理店」、web媒体などに特化した「専業広告代理店」、特定企業を専門とした「ハウスエージェンシー」に大別されます。

 

博報堂は「総合広告代理店」であり、幅広い広告媒体を取り扱うほか、長年その業務の中で蓄積したビッグデータを活用して、広告戦略や新商品の開発に取り組むといったコンサルティング要素も担っています。

 

広告代理店業界の中でも、「総合広告代理店」は学生から根強い人気があります。業界のもつ華やかなイメージや給与水準の高さが人気の理由なのでしょう。

 

広告代理店業界は、総合広告代理店である「電通」「博報堂」2大代理店と言われており、最近では専業広告代理店である「サイバーエージェント」がその後を追っています。

 

コンサルティング要素も担うなど携わり方が多様化している広告代理店業界。

消費者の価値観が多様化する中、広告代理店の果たす役割は、より大きなものになってきています。

 

広告代理店業界の華やかなイメージに憧れるだけではなく、今後の業界の動きについて自分なりに分析を行い、「なぜ広告代理店なのか」「なぜ博報堂なのか」を明確に回答できるように準備を行いましょう。

 

本記事では、「博報堂の面接対策」として、傾向や過去に出題された質問などを解説しています。

 

広告業界の「業界研究」や「ESの書き方」などは、下記記事を参考にしてください。

博報堂の面接の傾向

面接の傾向

博報堂の採用選考には、夏と冬に開催される早期選考(インターンシップを経て面接に移行するパターン)と、春に開催される公募選考(キャリアディスカッションと呼ばれる2回の面接と1回のグループディスカッションによる選考パターン)があります。

 

早期選考、公募選考ともに、まずESや事前課題での選考が行われます。その内容は博報堂の新卒採用サイトでも公開されています。

サイトを見るとわかる通り、自分の人物像を深く理解することを求められているとともに、物事をどのように捉える人物なのかが見られています。

 

一次面接でも最終面接でも、ESの深掘りや博報堂でのキャリアプランなぜ博報堂なのかという点について問われます。ES作成の段階から深い自己分析の上で、アピールしたい自分像を考え抜いて、その自分像をどう仕事に活かしていくのかについてを考えておく必要があるでしょう。

 

博報堂の採用選考は、人物重視です。考え抜いた自分像に従い、あらゆる段階で一貫性のある行動を行えるようにするためには、マニュアルで固めた自分ではなく、本来の姿で勝負することが求められていると考えます。

参考:博報堂 新卒採用サイト 選考フロー

博報堂の求めている人材

求めている人材

博報堂の求めている人材
  • 粒ぞろいよりも粒ちがい

博報堂は「人が資産」の会社です。「粒ぞろいより粒ちがい」な人材が「自由」で「主体的」にクリエイティビティを発揮し、価値を生み出す。これが私たちの原点です。そして、フィロソフィーである生活者発想を大切にしながら、世の中に新しい価値を提供し続けています。

引用:博報堂 企業情報 健康経営 トップメッセージ

 

博報堂のフィロソフィーのひとつに「生活者発想」があります。これは、消費者を生活者として捉えることによって、多様化している価値観を深く洞察し、新しい価値創造につなげていこうとする考え方です。

 

博報堂で働く人も、その生活者の一人です。トップメッセージにもあるように「粒ぞろいよりも粒ちがい」である人材を、博報堂の資産と考えています。

 

つまり、求める人材像に固定的なイメージを持っていません。これは、博報堂に様々な価値観を持つ人がいなければ新しい価値を提供できないと考えているからだと考えます。

 

自分の個性を活かし、博報堂でどう成長していきたいのか、どう貢献できるのかをしっかりと話せるようにしておきましょう。

博報堂の面接の攻略法

面接攻略法

「生活者発想」とは、人を、単に「消費者」として捉えるのではなく、多様化した社会の中で主体性を持って生きる「生活者」として全方位的に捉え、深く洞察することから新しい価値を創造していこうという考え方です。生活者を誰よりも深く知っているからこそ、クライアントと生活者、さらには社会との架け橋をつくれるのだと考えます。

引用:博報堂 企業情報 フィロソフィ

 

博報堂の選考は、ES、面接ともにマニュアルで固めた自分像では勝ち抜くことができません。

本来の自分像を深く見つめた上で、その自分がどのように博報堂で新しい価値創造に貢献していくのか、自分に自信を持って臨むことが重要です。

自分のバックグラウンドに自信を持とう

博報堂の選考では、「今までにどんな経験をしてきたのか」「今までの経験にはどんな想いや理由があるのか」「それらの経験がどんな自分像を浮かび上がらせるのか」などESの段階から深い自己分析が求められます。さらに面接でも、その深掘りが行われます。

 

経験してきたことの大小は関係ありません。博報堂が求める「粒ぞろいより粒ちがい」な人材のひとりとして、自分のバックグラウンドに自信をもって、本来の自分像で真正面から選考に向き合うことが大切です。

一貫性のある行動を心がける

博報堂の選考は人物重視です。ESの段階から、深い自己分析を求められます。

インターンシップやキャリアディスカッションを通じて実際の「人となり」を確認されたうえで、さらに面接では深掘りが行われます。

 

つまり、就職活動用に「作った自分」では対応ができません。あらゆる段階で一貫性のある行動をするためには、自己分析でじっくり見極めた自分像で採用選考に臨むことが肝要であると考えておきましょう。

博報堂で実際に聞かれた質問

実際に聞かれた質問
  • 自己紹介
  • 広告業界の志望動機
  • なぜ博報堂なのか(博報堂の志望動機)
  • 博報堂で何がしたいのか?
  • 希望職種
  • 自分の強みと弱み
  • 自分はどういった人間か
  • 大学生活の中でがんばったこと
  • 苦手な人と働くことになったらどうするか
  • 好きじゃない仕事の担当になったらどうするか

面接での回答時間は1分程度が良いとされています。簡単な質問に対しては30秒程度が目安となります。

 

1分で話すことができる文字数は約300字程度。面接対策として文字に起こす場合は、300字を目安に考えると良いでしょう。質問内容によっては、1分以上かけてしっかりと説明する必要がある質問も多くあります。

臨機応変に対応することはもちろん、面接対策を行う際には1分の時間感覚を身につけることも大切です。

 

実際に聞かれた質問の中から、今回は3つの質問について回答例と併せてポイントをご説明します。

なぜ博報堂なのか

<回答例>

人材が「粒ぞろいより粒ちがい」であることを大切にするからこそ、広告の可能性をさらに広げていくと感じたからです。

私は、ダンスチームのイベントリーダーを務めたことがあります。しかし、個性よりも統制を重視した私からメンバーが離れていきました。そこで、各メンバーと面談をし、得意技や持ち味を活かし、各メンバーの見せ場を加えたイベント内容に大幅に変更しました。その結果、チームのモチベーションは向上し、イベントも高評価を得ました。

この経験から、様々な持ち味や価値観を認めるからこそ、新しいものを生み出せるのだと学びました。

御社は、生活者発想をフィロソフィーのひとつに掲げ、日々新しい価値を創造されています。人を「生活者」として全方位的に捉えて、深く洞察していくことは、様々な価値観をもった人材がいるからこそ成立すると考えます。

私も御社の一員として、相違するお互いの価値観を認めながら、新しい価値を創造していきたいと考えています。(409文字)

 

博報堂はフィロソフィーに「生活者発想」「パートナー主義」を掲げ、世の中に新しい価値を提供し続けています。その原点は「粒ぞろいより粒ちがい」な人材が「自由」で「主体的」にクリエイティビティを発揮し、価値を生み出すことにあります。

 

ESの段階から、一人ひとりの「人となり」「自分とはどんな人間なのか」を深く考えさせるのも博報堂の選考の特徴です。

 

博報堂の事業内容や事業展開について理解することも大切ですし、それを志望動機に組み入れるのも問題ありません。しかし、それらは「粒ぞろいより粒ちがい」な人材が生み出した現在の結果にすぎません。

 

主観的および客観的な自分像を把握し、多様な価値観との交わりを楽しむことから新しい価値を創造していける博報堂の魅力について志望動機で触れることができると、より望ましいと考えます。

参考:博報堂 企業情報 健康経営と働き方
博報堂 企業情報 フィロソフィー

 

自分の強みと弱み

<回答例>

私の強みは、相手の求めることを察して、先を読みながら行動できることです。

私は、学生時代に障がい者支援のボランティア活動を行ってきました。活動の中で、障がいがある方の表情や声、しぐさから、何を求めているのかを察知し、対応されている支援員さんの姿を見ました。

当初、自分には真似できないと思っていましたが、注意深く相手を見ることと、理解しようという姿勢で向き合っているうちに、察することができるようになり、スムーズにコミュニケーションを取ることができるようになりました。

仕事においても、相手の声に耳を傾け、言葉に表れないしぐさなどにも注目し、相手が求めるものを正確に把握するように努めます。そして新しい価値観をプラスし、想像を超える結果を生み出していきたいと考えています。

一方で、私には御社での業務経験がないという弱みがあります。しかし弱みは強みでもあります。業務経験がないからこそできる発想力と周りの皆さんの経験値をかけ合わせながら、自ら研鑽に努め、御社の一員として新しい価値観を創造していきたいと考えています。(454文字)

 

人間には強みもあれば弱みもあります。自分の姿を客観的にとらえて、その自分を博報堂でどう活かしていこうと考えているのかを見極める質問であると考えられます。

 

この質問において、自分の強みや弱みをただ回答するのではなく、「どんな自分である」とPRしたいかを考えてみましょう。

もちろんその根拠として、どのような経緯でそう感じるようになったか、具体的なエピソードは必要です。

 

博報堂には様々な職種があり、面接の中でもどの職種を希望するのかを質問されることもあります。その職種にとって、どのような強みが求められるのかについて考えた上で、回答する強みとその具体的エピソードの選定を行っておきましょう。

 

また、弱みは「どうカバーしていくのか」、「どう捉えなおしをするのか」についても、併せて回答できると望ましいでしょう。

苦手な人と働くことになったらどうするか

<回答例>

自分の成長のチャンスととらえます。

所属していた写真サークルで、周りの先輩はカメラの選び方、撮影の仕方やテクニックまで丁寧に教えてくれました。しかし一人だけ、自分の写真の素晴らしさを自慢し、私の作品と比較してくる先輩がいました。正直、その先輩への苦手意識が強く、あまり積極的に自分から関わらないようにしていました。

しかし、ある日、その苦手な先輩が私のことを褒めていたという話を別の先輩から聞きました。その話を聞いて、私がよりよい作品を撮るために、あえて刺激を与えてくれていたのだと考えました。そこで様々な作品に触れる機会を増やすなどして目を肥やし、技術を磨いた結果、あるコンテストで賞を頂くことができました。

人それぞれ、価値観や表現の仕方も異なります。居心地のよい価値観に偏って過ごすと、自分の発想や成長にも限界が生じます。

苦手な人と働くことになった場合、それは自分の成長のチャンスと捉え、向き合っていきたいです。(406文字)

 

博報堂の原点は「粒ぞろいより粒ちがい」な人材が「自由」で「主体的」にクリエイティビティを発揮し、価値を生み出すことにあります。

 

クリエイティブな仕事であるため、社内でも意見相違が生じることもあると思います。また、お客様の求めるものと自らの意見が一致しないこともあるかもしれません。

 

「様々な価値観があるからこそ、新しい価値創造を生み出していける」と考えている博報堂では、多様な価値観を認め合い、尊重する「協調性」が重視されると考えます。

 

この質問は、その「協調性」の有無を見極めようとする質問であると考えられます。

仕事だから我慢するといった表面的な回答ではなく、苦手な人とどう折り合いをつけるのか、苦手な人をどう捉えるのか、具体的な経験をもとに協調性」がある旨を回答できるように振り返りを行っておきましょう。

博報堂の面接前にチェックすべきこと

面接前にチェックすべきこと

博報堂の新卒情報

募集職種

・総合職

・クリエイティブ職(職種確約は早期選考のみ)

・データサイエンス領域職種(職種確約は早期選考のみ)

募集人数

150~200名程度

採用フロー

【公募選考】

ホームページよりエントリー
→ES提出
→webテスト
→キャリアディスカッション

筆記試験

SPI

面接

個人面接および集団面接

博報堂の事業内容

  • マーケティング
  • クリエイティブ
  • アクティベーション
  • PR
  • コンサルティング
  • 事業開発/イノベーション
  • メディア&コンテンツ
  • テクノロジー・R&D
  • デジタル
  • グローバル
  • その他のプロジェクト

 

博報堂DYホールディングスの2022年3月期決算(2021年4月1日~2022年3月31日)決算を見ると、売上高は1兆5,189億2,100万円 (前年度比117%)、純利益は551億7,900万円(前年度比208.4%)と増収増益の状態となっています。

 

これは、日本経済は、持ち直しの傾向にあるものの、変異株の感染拡大に伴う行動制限長期化の影響や、サプライチェーン停滞に伴う生産や輸出の回復鈍化もあり、力強さを欠く動きとなっている一方で、広告市場は大幅な落ち込みからの反動により、強い伸びが継続したことが要因と考えられます。

 

博報堂DYホールディングスは、2019年に中期経営計画を発表していましたが、コロナ禍によりビジネス環境が激変したことを受けて、計画の見直しを発表しています。

 

具体的には、コロナ禍においてオールデジタル化が急激に進捗した環境変化に対応するために、「データドリブンマーケティング」(従来のマーケティングデータだけではなく、それらとは性質の異なるデータを収集し活用する手法)、「フルファネルマーケティング」(商品やサービスの購買プロセスに対して広告媒体や予算、内容を最適化する手法)を実践するための変革に取り組んでいます。

 

そして、その変革を加速するためにグループの横のつながりを強化することによって利益率を高め、経営基盤の強化も進めています。

 

2021年には、ロシアの独立系デジタルクリエイティブエージェンシー「Ailove Digital」の持分を取得するなど、国内外問わずデジタル対応を広げていく博報堂の勢いは今後も継続していくものと考えられます。

参考:博報堂DYホールディングス 2022 年3 月期 決算短信〔日本基準〕(連結)の公表について
2022年3月期 通期 決算説明会資料(中期経営計画)

 

博報堂の社風

博報堂は「粒ぞろいよりも粒ちがい」いう言葉を大切にしている会社です。そして、フィロソフィとして「生活者発想」を掲げて、消費者をひとりひとりの生活者と捉えて、新しい価値創造を目指しています。

 

博報堂で働く人も生活者のひとり。偏ったバックグラウンドや経歴の持ち主ばかりが集まっていては、生活者の多様化する価値観やニーズに対しての新しい価値創造には限りがあります。

 

下記の若手社員インタビューの言葉からも、会社として大切にしている言葉フィロソフィを具現化している様子が伺えます。多様なバックグラウンドや価値観をお互いに尊重しあい、新しい価値創造を一緒に楽しむ風土が博報堂にはあると考えます。

 

コピーライター
角田奈菜さん

個性的で、一緒に働いていて楽しい方がたくさんいる会社です。それぞれ好きなもの、追いかけているものがあって、それをリスペクトしあっているなと感じます。

私もそうですが、それがまだはっきりとわかっていない人も、新しいことや好きになれそうなことがたくさん見つかるような会社だと思います。

身の回りのいろんなことを楽しんで、それをどんどんシェアしあえるような人と一緒に働けたら嬉しいです!

引用:博報堂 新卒採用サイト 若手社員インタビュー

ストラテジックプラニング職
田丸浩太郎さん

僕が一緒に働きたいと思う人は、「世の中におもしろいことを仕掛けてやりたい!」という積極性がある人です。博報堂は、領域や職種に関わらず、積極性さえあればいくらでもチャンスを用意してくれる環境です。

社内のミーティングでも、「ちょっとこんなの考えてきたんですけど、どうですか!?」とアイデアを持ち込んで、嫌な顔する人は、おそらく1人もいません。

これからの未来を発明していく上で、みなさんの生きた発想(たぶん、会社の誰よりも最強)はとても貴重だと思っています。内定がゴールではなく、「入社したら自分は博報堂でこんなことしてやりたい!」と企んでいる人と働けることを楽しみにしています。

引用:博報堂 新卒採用サイト 若手社員インタビュー

 

博報堂の過去実績

採用倍率

博報堂は、比較的採用人数が多い一方で、志望する人も多い企業です。

正確に公表はされていませんが、採用倍率は約240~250倍程度になると考えられます。非常に高い倍率になりますので、徹底した対策をして臨みましょう。

参考:リクナビ2023

 

採用大学

慶應大、早稲田大、上智大、東京大、京都大、一橋大、青山学院大、同志社大、立教大、千葉大、大阪大、九州大、東京理科大 など

国立大学、有名私立大学の名前が並んでいます。博報堂の採用選考フローを考慮すると、学歴フィルターというよりも、一定の学力や思考力が求められていると考えられます。

 

ただ、「粒ぞろいよりも粒ちがい」を大事に考えている会社なので、人柄重視で多様な人材を採用している可能性が高いといえます。臆することなくチャレンジしてみる価値はあるでしょう。

参考:博報堂大学別新卒採用人数ランキング2021

徹底した対策を!博報堂の選考を有利に進めよう

徹底した面接対策をしよう

博報堂の採用選考をクリアするためには、自分のバックグラウンドと、自己分析に基づいた自分像に自信を持つことが何よりも大事です。

 

ES提出の段階から、過去の経験を振り返って深い自己分析を行いましょう。

その中で、見い出した自らの人材像で、インターンシップや面接の中で一貫性のある行動をとり、内定を勝ち取るためには表面的に取り繕った自分では難しいと考えます。

様々な経験を重ねてきた、ありのままの自分に自信をもって、採用選考にチャレンジしていきましょう。

 

この記事を参考に、面接対策に取り組んでみてくださいね。

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。