【自動車業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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日本の経済活動の根幹となる業界の1つである自動車業界。
そんな自動車業界は人気が高く、万全の対策をして臨むライバルも多いです。第一関門であるESでふるい落とされてしまわないよう、しっかりと対策をしていきましょう。
この記事では自動車業界の企業が過去に出した設問を交えながら、回答のポイントと合わせて回答例などをご紹介していきます。
自動車業界の採用動向や面接対策については、下記記事で詳しく紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
目次
自動車業界のES設問例
1大学時代にチームを巻き込んで成果を出したエピソード(2019年 トヨタ)
2大学時代で一番成功した経験、もしくは失敗した経験は何ですか。いずれかを選択し、その経験から得たものを教えてください。(2021年 スズキ)
3学生時代に最も力を注いだこと(研究、部活動、アルバイト等)を、夢の実現の為に、どのように活かしていきたいですか? 400文字以下(2020年 マツダ)
4あなたが学生時代にリーダーシップを発揮した経験を教えてください。(2019年 日産)
5あなたが仕事を通じて成し遂げたいことは何ですか。その根底にある想いや理由をあわせて入力してください。(2020年 ホンダ)
設問例1:チームを巻き込んで成果を出したエピソード
この質問ではチームとして行動する際に、どのような役割を担ってどのような行動を起こし、結果としてチームに与えた成果を伝えることが大切です。
チームを巻き込んだ時のエピソードなので、チーム内での役割やポジションについて振り返ってみましょう。
成果としては自分の行動がチームにどのような影響をもたらしたのかを考えます。
実際に記入する際は、具体的に自分が心がけていたことや実際の行動に要点を絞って記入するようにしましょう。
またチームとしてのエピソードなので、周囲からの意見や感想があれば取り入れるのも説得力が増し良いのではないでしょうか。
回答例
ゼミでのプレゼン大会に向け、チーム作りをした経験です。ゼミに入って間もなく、プレゼン大会に向けた班が振り分けられました。しかし知り合って間もないこともあり、なかなか意見が出せず、私たちは他の班に遅れを取っていました。
そこでまずはチームの雰囲気作りに取り組みました。全員の意見や考えを聞き出すことに注力し、できる限り皆が納得感を持って活動できることを目標にしました。話し合いでは皆の顔をきちんと見る、発言の少ない人には声を掛ける、口調に気を配るなどを意識しました。
また無理に聞き出そうとせず、会話の中で自然と意見が出せる、反対意見を挙げやすい雰囲気を目指しました。徐々に打ち解け、沢山の意見やアイデアが出るようになった結果、大会では優勝することができました。
この経験からチームの中で自分の役割を考え、積極的に行動する大切さを学びました。貴社でも自分の役割を明確にし、どんな状況下でも自ら行動し続けます。(400文字)
チームを巻き込んだ当時のチームの状況や雰囲気を取り入れると、エピソードの背景が伝わりやすくなるでしょう。
設問例2:大学時代で一番成功した経験、もしくは失敗した経験は何ですか。
大学時代で一番成功した経験、もしくは失敗した経験は何ですか。いずれかを選択し、その経験から得たものを教えてください。(2021年 スズキ)※400文字
回答するにあたって、成功したか失敗したかといった結果が重要なのではなく、大きな経験から学び、得たことを伝えることが大切です。
成功した経験、もしくは失敗した経験とあることからも失敗した経験を書いたからといって、選考から漏れることはないと考えられます。
さまざまな経験から学び続けられる学生であるとアピールできるような内容を心がけましょう。
また成功経験を語る際は特に、結果だけを記入して終わってしまわないよう意識します。取り扱うテーマとしては部活やサークル、アルバイト、ゼミなど組織の中で成績に貢献したことはもちろん、学業など個人的なエピソードでも書くことができるでしょう。
回答例
アルバイト先で自分の取り組みを評価してもらい、リーダーに抜擢されたことです。
外国人のお客様が多いレストランでしたが、英語での意思疎通がうまくいかず要望に答えられないなどの問題を抱えていました。そこでレストランで使われる英会話を調べてまとめ、どのスタッフでも使えるようトークスクリプトを作成しました。
外国人のお客様の満足度を高めるためと、英語に苦手意識のあるスタッフも積極的に接客できるようにすることを目的としました。トークスクリプトを取り入れたところ、嬉しい口コミが増え、外国人の再来店数が増えました。
この経験を通して自分の行動がお客様や周囲のスタッフの役に立つことを実感し、お客様目線に立って考えることの重要性を知りました。
入社後はこの経験で得た行動力を活かし、常に顧客目線に立ち信頼される営業パートナーとなり、海外での販売台数拡大に貢献したいたいと考えています。(383文字)
成功だけにこだわる必要はないので、まずは大学生活の中で最も印象に残っている経験を振り返ってみましょう。
設問例3:学生時代の経験をどのように生かすか
学生時代に最も力を注いだこと(研究、部活動、アルバイト等)を、夢の実現の為に、どのように活かしていきたいですか?(2020年 マツダ) ※400文字以下
学生時代に最も力を注いだことから何を学び取り、さらには入社後どのように活かせると考えているのか問われています。
この設問の前には学生時代に最も力を注いだことと、マツダで実現したい夢についての設問が設けられていました。
まずは最も力を注いだことから何を学んだのか、得たことを振り返ります。
そして夢を実現するために必要だと思う要素を整理していきましょう。
力を注いだことから得た経験と、夢の実現に必要なことを掛け合わせ、どのように活かせると考えているのか記入していきましょう。
求める人物像や会社の理念などと照らし合わせることもおすすめです。
回答例
アルバイト先で培った「行動力」を活かしていきたいと考えています。
マツダが買いたい自動車ブランドとして真っ先に名前が上がるようになるには、長い時間を要することが考えられます。そのためには目標を段階ごとに分け設定し、着実に達成しながら進めていくことが重要だと考えます。
アルバイト先では英語力を上げてお客様の満足度を高めたいと考え、細かく目標を設定し、1つずつ着実に達成に向けて行動してきました。少しずつ目標のハードルを上げ、課題に対し試行錯誤を繰り返しながら英語力を磨いた結果、社内でのお客様満足度に関する賞を頂くことができました。
何かを実現するためには最終ゴールに対し、いくつもの目標を設定し、1つずつクリアしていくことが大切であり、実際に行動し続けることが結果に繋がるのだと実感しています。
買いたい自動車ブランドとして真っ先に名前の上がるブランドを目指し、真摯に行動し続け貢献していきたいです。(397文字)
学生時代に得た経験や力を活かせる場面について具体的に思い浮かべてみると、書きやすくなるかもしれません。
設問例4:リーダーシップを発揮した経験
あなたがリーダーシップを持っている学生であるかを確認する質問です。
まずは自分の中にある「リーダーシップとは何か」を考えてみましょう。自分の考えるリーダーシップについて簡潔に説明できるようにします。
そして実際にリーダーシップを発揮したエピソードを振り返ります。自分なりのリーダーシップ要素を用いたポイントをまとめると良いです。
リーダーシップを発揮した結果、起こった状況や変化についても、余裕があれば記入するのがおすすめです。
回答例
私がリーダーシップを発揮した経験は、新入生の勧誘活動を実施したことです。私の所属しているサークルでは、例年勧誘活動を行なっておらず、新入生の数が年々減少していることが課題でした。
一定の人数を割ってしまうと活動ができなくなるので、勧誘活動に力をいれるべきだと考え、ビラ配りを自ら提案しました。しかし、先輩方は「知人経由の入会だけで良い」という考えであったため、なかなか決定に至りませんでした。
そこで私は先輩方に勧誘活動の重要性を伝え、他サークルの成功事例なども交えながら何度も説得を試みました。徐々に賛同してくれる先輩が増え、サークルメンバー全員でビラ配りを実施することができました。結果、例年の2倍となる新規入会者を獲得しました。
この経験を通して、諦めずに説得することで人の気持ちに変化を引き起こせると実感しました。入社後も目標を諦めることなく、周囲を巻き込んで行動できるよう尽力します。(394文字)
志望企業が考えるリーダーシップについて調べてみることで、かけ離れすぎた内容となってしまうことを防げるでしょう。
設問例5:仕事を通じて成し遂げたいこと
成し遂げたいことでは、社会への貢献をどう考えているのかが問われています。
まずは社会人として働くことで、周囲にどのような影響を与えたいのかを考えてみましょう。
そして過去のエピソードを振り返り、どうしてそのような考えに至ったのかなど、成し遂げたいことに対する想いや理由をまとめましょう。
またこの設問の後に「ホンダを志望する理由」の設問が設けられていました。
そのため成し遂げたいことに関する設問では、志望理由よりも成し遂げたいことや想い、理由についてしっかりと説明できると良いでしょう。
回答例
私が成し遂げたいことは、安全性の高い自動車を作ることです。
このような考えに至ったきっかけは、自分で自動車を運転していた時に命の危険を感じた経験にあります。この経験以来、運転自体に苦手意識を持つようになり、自分で運転することが怖くなりました。今では運転の機会が減って、誰かと出かける際の運転を人に任せている状態です。
しかし地方で生活をしていると、スーパーや病院、職場などに行くために、自動車を使わざるを得ない場面が多く、たまの運転を不安に感じています。
このことから今よりも高い安全性を担保してくれる自動車が誕生すれば、運転が苦手な人でもストレスなく運転できるのではと思うようになりました。また近年は高齢者による交通事故のニュースを耳にする機会も多く、安全性は重要な課題といえます。
貴社は世界に先駆けて自動運転レベル3の新型LEGENDを発売した企業です。高い技術力を持つ貴社でなら先進的な安全性能を持つ自動車作りに関わることができ、成し遂げたいことを実現できるのではないかと考えています。
入社後は新しい安全運転支援システムの開発に携わり、より高い精度で事故の発生を防ぐ自動車づくりに貢献していきたいです。(500文字)
想いや理由を伝える時には、具体的なエピソードがあるとより伝わりやすいのではないでしょうか。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
自動車業界はどんな人を求めているのか
自動車業界が求める人物像には、企業によって細かな違いはあるものの、次のような要素を持つ人が求められる傾向にあるようです。
- 失敗した経験からも学びを得られる
- 困難を乗り越える力
- 主体性を持って行動する
- 果敢に挑戦できる
電気自動車や自動運転など業界で取り扱う自動車自体が大きく変化しようとしています。
加えてカーボンニュートラルを目指すという世界情勢や、日本では若い人の車の購入が減るなど、自動車を取り巻く環境も複雑です。
そのため保守的な人よりも革新的な人が求められているのではないでしょうか。
先述した要素を自分の中に見つけ、ESの設問と掛け合わせてみましょう。
そしてそれぞれの企業が求める人物像と自分のエピソードを照らし合わせながら、ESの対策に取り組みましょう。