【飲料業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
公開日:
最終更新日:
「自分自身が好きな飲料に携わりたい」「自分が好きな商品の魅力を伝えたい」といった理由で、文系理系問わず就活生から人気な飲料業界。
飲料業界には、サントリーやコカコーラジャパン、アサヒ飲料など世界的に有名な企業が数多く存在し、多くの就活生の憧れとなっています。
そんな飲料業界ですが、飲料業界の現状や求める人物像、ESで見られている点は理解していますか?
ESを書く前に業界研究をしっかりと行い、どのような人材が求められているのか理解することが大切です。
今回は飲料業界のESで実際に出た設問例をもとに、ポイントなどを紹介していきます。
飲料業界の採用動向や面接対策について、詳しくは下記で紹介しています。併せてチェックしておきましょう!
目次
飲料業界の現状
まずは飲料業界の現状について見ていきます。
飲料業界を取り巻く環境は大きく以下の2点です。
①清涼飲料水市場の伸び率は横ばい
飲料業界の主要である清涼飲料水市場の伸び率は横ばいです。
2017年の調査では3兆8217億円で、この数字は2016年とほとんど変わっていません。
理由としては、人口減少や少子高齢化によりそもそも消費する人は少なくなっている、健康志向が強まり砂糖の多いジュースは敬遠されがち、などが挙げられます。
分野別でマーケット規模の推移をみてみると、炭酸飲料や茶系飲料、野菜系飲料、健康系飲料などが前年を上回ったものの、果汁飲料やコーヒー飲料、スポーツ・機能性飲料は縮小しました。
ただし、縮小といってもコーヒー飲料は8,867億円から8,773億円、果汁飲料が2,051億円から1,995億円と軽微であり、まだまだ大きなマーケットであることが伺えます。
対して順調にマーケット規模を拡大しているのが、茶系飲料と健康系飲料です。
特にドリンクヨーグルトや乳酸菌飲料、豆乳・大豆飲料を含む健康系飲料は、2014年に4,413億円だったものが2017年には5,195億円まで拡大しています。
健康志向は今後も続くことから、まだまだ拡大が見込めます。
②積極的な海外展開
飲料業界は積極的な海外展開を試みています。
理由は、国内市場は少子高齢化や人口減少によりこれ以上の大きな拡大は見込めないためです。
総務省の国勢調査によると、日本の総人口は5年間で約100万人減少しています。
そんな国内市場の縮小を支えるのが海外展開です。
特に酒類市場は海外展開を以前より進めています。
例えば、山崎や知多といった日本のウイスキーは、「ジャパニーズウイスキー」として海外でも人気を誇ります。
また海外に製品を輸出するだけでなく、海外の企業を吸収合併する動きも出始めています。
例えば、2017年にサッポロはアメリカのアンカー・ブリューイング・カンパニー社の全持ち分を取得したり、2019年にはアサヒが、バドワイザーをブランドに持つアンハイザー・ブッシュ・インベブ傘下のオーストラリアのビール会社カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズの全株式を取得する手続きを完了させたりしています。
こうした海外展開の動きは今後も続くでしょう。
上記のような「国内市場は停滞ぎみ、積極的な海外展開」という業界の現状を把握することで、飲料業界が求める人物像も見えてきます。
今一度そうした視点を持って業界、企業研究に取り組みましょう。
飲料業界のES設問例
1ガクチカ(共通)
2就職先の選択で重視する点 を教えてください(2021年 アサヒ飲料)
3サントリーのビジネス部門でやってみたいこととその理由(2019年 サントリーホールディングス )
4あなた自身を表す「キャッチコピー」を教えてください。(2021年 ヤクルト)
5キリンビバレッジ営業として、お客様笑顔づくりためにどのような取り組みができるか(2017年 キリンビバレッジ )
設問例1:ガクチカ
こちらの質問では、あなたが学生時代どのようなことに打ち込んだのかが問われています。
この「ガクチカ」と呼ばれる質問はESだけでなく、実際の面接でも度々問われます。
なぜなら、企業側はこの質問を通じて「目的意識を持って、充実した大学生活を過ごしてきたのか」を知りたいからです。
言い換えると、目的意識を持たず、ダラダラと4年間過ごしてきた学生は、この質問で落とされてしまいます。
つまり、充実した大学生活を送ることは、人生の大きな糧になるのと同時に最大の就職活動対策になります。
その経験から、何を学んだのか、何を得たのかなど、しっかりと筋道を立てて説明できる経験を掘り起こしましょう。
回答例
学生時代に力を入れて取り組んだことは、「新入生交流イベントの開催」です。
私は新型コロナウイルスの影響により新入生同士の交流する機会が減っていることを危惧し、新入生のためのイベントを2回開催しましたが、新入生が集まらないという課題に直面しました。原因は、感染症対策により校内でのビラ配りができなかったための認知不足だと感じました。
そこでSNSやWebサイトを駆使し集客することにしました。しかし私自身にそのような知識がなかったため、「周囲の人を巻き込んで、目標を達成する」という私の強みを活かし、校内で有名なインフルエンサーにイベントを紹介してもらう、講義をしている教授にイベントの話をしてもらう、などといった施策を行いました。
自分以外の人の力を借りることで組織としてもどんどん大きくなり、その結果、目標の150%以上の集客することができました。この経験を貴社でも活かします。
ガクチカの中にも、自身の強みをアピールできると効果的です。
設問例2:就職先で重視する点
こちらの質問では、あなたの就職活動における軸が見られています。
そもそも、就職活動を始めるにあたり「軸」をしっかり設けているでしょうか。
就職活動の軸がなければ、企業側には「大企業ならどこでも良いと考えているのか」という印象を持たれてしまいます。
企業側は特にこのような考えの就活生を敬遠する傾向があるので、こうした質問を設けています。
また、「内定辞退をしないか」「弊社の志望度は高いか」といった点も見られています。
こうした質問については、「○○という軸に貴社は当てはまるので、志望しております」といった書き方が効果的です。
回答例
私が重視する点は、「世の中の健康を支えることができるか」「世界で通用するブランド力、商品力があるか」の2点です。
私の祖父は仕事一筋で、健康に全く関心がない人でした。そんな祖父は若くして病気で亡くなりました。そこで私は「誰もが毎日必ず摂取する飲料であれば、健康意識のあまり高くない人にも手にとってもらえる」と考え、「忙しい人の健康を飲料を通じてサポートしたい」という思いを抱きました。
こうした私の思いを実現できるのは、「新しい日常の生活リズムを整え、ココロとカラダの健やかな毎日を生みだし“笑顔”を広げていく」という貴社コンセプトを掲げている貴社だと考えます。
また貴社は、海外企業のM&Aや現地法人の立ち上げなど、積極的な海外展開を行っています。「健康」は全世界共通のテーマです。日本に留まることなく、世界中の人の健康を促進する企業である貴社で、留学で得たコミュニケーションスキルを活用し、良い商品を多く広めていきたいと考えています。
「軸と合致しているのは、貴社である」といった文末にすることで、説得力が増します。
設問例3:ビジネス部門でやってみたいこと
こちらの質問では、入社後どういった取り組みに挑戦したいのかが問われています。
志望動機と同じ質問に思われますが、しっかりと質問者の意図を汲み取るようにしましょう。
志望動機は「なぜ数ある企業から弊社を選んだのか。そのきっかけや動機は何なのか」を問うています。
そのため、ある程度抽象的な回答になっても問題ありません。
対して上記のような部門別で取り組みたいことを問われている場合は、具体的に答える必要があります。
むしろこの類いの質問で曖昧な回答をしてしまうと、「企業研究をしていない」と印象付けてしまいます。
その点を考慮して回答しましょう。
回答例
私は酒類におけるマーケティング業務に挑戦したいです。理由は、「若者の酒離れを阻止し、人生の満足度を高めるツールとしてお酒を楽しんで欲しい」と考えているためです。
私は大学のゼミにおいて、「若者の酒離れはなぜ進んでいるのか」というテーマのもと、多角的に考察を行ってきました。その結果、「広告を通じた商品のブランド戦略によって、消費される年代や属性が大きく変わる」ことを学び、興味を持ちました。
例えば、貴社の「ザ・プレミアム・モルツ」は、お中元やお歳暮などの贈り物として消費されてきました。しかし最近では「若者・週末」というキーワードを中心に、CMなどでPRされています。その結果「ハレの日」だけでなく、若い世代が週末気軽に飲むお酒として消費されています。
このようにマーケティング戦略に大きく力を入れている貴社のマーケティングであれば、私の「お酒をもっと気軽に、若者に楽しんで欲しい」という思いを実現できると考えています。
企業の取り組みなどを文中にいれると、強いPRになります。
設問例4:あなたのキャッチコピー
こちらの質問ではあなたのキャッチコピーを通じて、人柄や性格を探っています。
キャッチコピーと聞いて、「そんなもの自分にはない」と思われる就活生も多いでしょう。
確かに、ほとんどの就活生がこの質問で初めて「自分自身のキャッチコピー」を考えると思います。
しかし、深く考えすぎる必要はありません。
もちろん目を引くような、斬新なキャッチコピーがあれば尚良いかもしれませんが、重要なのは「自身の人柄を客観的に捉えられているかどうか」です。
そこを特に意識して記述しましょう。
回答例
私は「永遠2位の男」です。
私はこれまでの人生を振り返ると、必ず最後の最後で2位に転落するという結果を経験してきました。例えば、中学生の時に習っていたそろばん教室では、常に教室内でトップの成績を収めていました。そこで全国大会へ出場することとなり、優勝するために努力をしましたが、最後に気が抜け2位に転落しました。心のどこかで「まぁ優勝できるだろう」という甘い考えが出てしまった結果です。また大学陸上部の地区予選においても、最後の瞬間に慢心してしまい、2位で終えました。
以上の経験から、私は「人一倍努力はするが、最後の最後で気が抜けてしまう性格」であると分析しています。そこで、貴社に入社後は誰よりも営業成績1位にこだわります。最後の大一番で気を抜かないために、常日頃から緊張感を持って業務に励みます。
大切なのはキャッチコピーのフレーズではなく、あなた自身が客観視できているか、です。
設問例5:お客様笑顔づくりのためには?
こちらの質問では、あなたが営業マンとして「お客さまの笑顔づくり」のためにどういった取り組みができるか、するつもりかが問われています。
当然、就活生の大半は営業経験などなく、あくまで想像でしか答えることができないと思います。
もちろん企業側もそれは承知しています。
中でも探りたいのは、「奉仕の心を持っているか」です。
したがって、アルバイトやサークルなどで他の人のためにしたこと、利他の心で動いた経験などを話せると良いでしょう。
回答例
私はお客様の笑顔づくりのために「潜在ニーズをとことん深堀りする」といった取り組みを行います。
私は家電量販店で携帯電話販売のアルバイトをしていたのですが、その際最も心掛けていたのは、「お客様の話をとことん聞くこと」です。来店されるお客様の中には、お年寄りで話す相手がいなかったり、携帯電話の料金に不満を抱いている人など様々でした。そこで「どういった端末が欲しいか」だけではなく、「なぜ携帯電話を変えるのか」「普段何をしている人か」など、潜在的な需要を深掘りしました。
その結果、多くのお客様に「あなたと話していると新しい発見があって楽しい」と言ってもらうことができ、携帯電話の新規契約数1位を取ることができました。
この経験を貴社でも活かし、とことんお客様の潜在ニーズを深掘りし、新たな発見を手助けすることで双方の利益を最大化させ、その結果として笑顔づくりに貢献します。
少し難しい設問例ですが、自身の経験の中から「奉仕の心で取り組んだもの」を抽出してみましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
飲料業界はどんな人材を求めているのか
飲料業界が求める人材の特徴は下記2点です。
大前提として、希望する職種によって求める人物像は異なります。
- 分析力があり、自ら課題を解決できる人材
- 新しいことにも積極的に挑戦できる人材
分析力があり、自ら課題を解決できる人材
飲料業界では分析力が欠かせません。
例えば、技術職であれば、よりお客様のニーズに応える製品の開発が求められますし、営業であっても全国にあるコンビニやスーパーに対して売上の傾向を分析し、より売れるように商品の補充やレイアウトの変更をしなければなりません。
ライバル企業も多い飲料業界だからこそ、分析力が不可欠となります。
新しいことにも積極的に挑戦できる人材
初めにでも述べた通り、飲料業界は国内市場の停滞という壁に直面しています。
その壁を克服するために、海外展開や新商品の開発を積極的に推進しています。
業界自体が新たな収入源確保のために、積極的に挑戦している中では、現状維持で満足する人材は求められません。
むしろ、「これまでも様々な困難がありましたが、挑戦することで乗り越えてきました」という就活生の方が、企業の人も惹かれるでしょう。
もちろんその他にも見られるポイントは存在しますが、飲料業界が特に求める人材は上記の2点です。
実体験をそのまま記述するのではなく、「どういった人材が求められているのか」「そのために自分はどこを強くアピールすべきなのか」をしっかりと考えて、今一度自身のESを精査しましょう。