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【家電業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!

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家電業界ES書き方ガイド


「日本のものづくりを支えたい」「日本の世界に誇れる技術に携わりたい」といった理由で、文系理系問わず就活生から人気な家電業界。


主要家電メーカーには、日立製作所、三菱電機、東芝、パナソニックなど日本を代表する企業が並び、多くの就活生の憧れとなっています。


そんな家電業界ですが、家電業界の現状や求める人物像、ESで見られている点は理解していますか?

ESを書く前に業界研究をしっかりと行い、どのような人材が求められているのか理解することが大切です。


今回は家電業界のESで実際に出た設問例をもとに、ポイントなどを紹介していきます。


家電業界の面接対策や採用動向については下記記事で紹介しています。

家電業界の現状

家電業界の現状


まずは家電業界の現状について見ていきます。
家電業界を取り巻く環境は大きく以下の2点です。

①主要家電のコモディティ化

家電業界では「主要家電のコモディティ化」が急速に進んでいます。


「コモディティ化」とは、高付加価値を持っていた商品が他社の参入により市場価値が低下し、一般的な商品になることを指します。


例えば、テレビも30年前は製造できる企業が限られていたため、世界での流通量も少なく、高い価値を持っていました。

しかし今はパナソニックや東芝だけでなく、韓国企業のLGや台湾企業の鴻海など様々な企業で製造されています。


「どこの企業でも同じような性能のテレビを購入できる」ようになった結果、世界的に低価格競争へと突入しました。

しかし中国や韓国は人件費が極端に安いため、日本企業が価格競争で挑んでも負けてしまいます。


そこで日本企業はコモディティ化を抜け出すため、「ブランド戦略・コミュニケーション戦略」
を強化しています。


具体的には、「この企業でないと買えないもの」「この企業だからできる高付加価値」を各商品に備えることを目指しています。

②白物家電のIoT促進

先述した通り、主要家電はコモディティ化が進んでいるため、日本企業は「ブランド戦略」を強化しています。


その具体的な施策の一つが、
「白物家電のIoT促進」です。

IoTとは、Internet of Thingsの略で、インターネットが様々なモノに組み込まれることを指します。


白物家電、つまり洗濯機・冷蔵庫・電子レンジ・エアコン・炊飯器などをインターネットに繋げることで、スマートフォンで遠隔操作できるようになったり、AIが日々の暮らしを便利にしてくれたりします。


そのようにして、「○○企業の家電製品はとても便利だから、多少高くても購入したい」という消費者を増やすことができれば、低価格競争に参加せずに済み、高い収益を出すことができます。


そうした企業の思惑もあり、家電業界の各企業は次世代技術であるIoTを活用して、少しでも便利な製品の開発、製造を目指しています。


上記のような「主要家電のコモディティ化が進み、各企業はIoTを促進している」という家電業界の現状を把握することで、家電業界が求める人物像も見えてきます。

今一度そうした視点を持って業界、企業研究に取り組みましょう。

家電業界のES設問例

家電業界で頻出されるES設問例

1学生時代に力をいれたことを教えて下さい(共通)

2 DXにより社会課題を解決する日立でどのような活躍をしたいか教えて下さい。(2021年 日立製作所)

3「我こそ○○である!」○○に入るあなた自身を表す言葉をご記入ください。(2021年 パナソニック)

4あなたの会社や仕事を選ぶ基準(就職活動の軸)は何ですか?また、シャープのどういった点がその基準に当てはまると思いますか。(2019年 シャープ)

5パイオニアの求める人物像の中からあなたが自分に当てはまると思われるものを一つ選んで記述してください。また、それを選んだ理由を具体的なあなたの行動・エピソードと共にお書きください。(2017年 パイオニア)

設問例1:ガクチカ

学生時代に力をいれたことを教えて下さい(共通)

こちらの質問では、あなたが学生時代どのようなことに打ち込んだのかが問われています。


面接やESなど、企業が頻繁にこのガクチカを聞くのには理由があります。

それは、「目的意識を持って、充実した学生生活を過ごしてきたか」を見るためです。


「目的意識がない学生」つまり、何も考えず周りに合わせて過ごしてきた学生は、「社会に出ても言われたことだけをし、自主的に行動しようとしないだろう」と懸念されます。


対して、「学生時代は自分の○○という思いを実現する目的で、○○に挑戦しました。」と話す学生は、企業側も「入社後も自分の思いや信念に沿って、自発的に行動してくれそうだ」という印象を持ちます。


このように、書き方を注意するだけで企業側が抱くイメージは全く異なってきます。

大前提として充実した学生生活を過ごすことは不可欠ですが、書き方にも注意しながらまとめていきましょう。

回答例

私が学生時代力を入れて取り組んだことは、「人材会社での長期インターン」です。

私は大学3年生の1年間、「就職後は営業職として活躍するため、前もって実践経験を積みたい」という思いから、人材会社の長期インターンに参加しました。中でも、就活イベントの開催やそこに出展する企業の募集、スポンサー集めなどに取り組みました。

しかし、知名度が低い人材会社であったため、就活イベントに参加する企業が集まらない状況でした。このままではイベントそのものが開催できなくなると思い、都内の企業へ飛び込み営業を行いました。

ほとんどの企業で門前払いを受けたので、「まずは自分を知ってもらおう」と考え、自己紹介カードを作成し、同じ企業に定期的にお伺いしました。この取り組みの結果、担当者に少しずつ話を聞いてもらえるようになり、最終的には1ヶ月で12企業に参加を決定していただきました。この経験を貴社の営業職でも活かします。

 

☝ワンポイント

「自身の思い」が、企業が最も見たい点です。そこを意識して記述しましょう。

設問例2:どのような活躍をしたいか

DXにより社会課題を解決する日立でどのような活躍をしたいか教えて下さい。(2021年 日立製作所)

こちらの質問で重要なポイントは、「企業の特性とあなたの強み、両方を記述する必要がある」ことです。


「どのように活躍したいか」と問われると、ご自身の経験、強み弱み、希望する職種や部署など色々書きたくなります。

しかし忘れてはいけないのが「企業の特性」です。


この「企業の特性」を書かなければ、ただ自分のやりたい事を述べるだけになってしまいます。

事実、質問例の前半には「DXにより社会課題を解決する日立で…」と書かれています。


したがって「貴社は○○という特性がある。そのため、私の○○という強みが活かせる。だから○○という活躍を…」と書き、前提条件を企業と合わせてから執筆するようにしましょう。

回答例

私は貴社で「過疎地域におけるDX推進の立役者」と言っていただけるような活躍をしたいと考えています。

私は大学に進学するまで、携帯の電波も届きにくいような田舎に住んでいました。その地域は少子高齢化が進んでおり、私は「こうした地域こそデジタル技術を活用して利便性を高めるべき」と考えていました。

貴社は、日立自治体ソリューション「ADWORLD」を中心にパートナー各社とも連携して、自治体約770団体に多種多様なソリューションの提供を行なっています。

そこで私は貴社のDX事業部に所属し自治体に営業を行い、役場の財務管理やデータ分析サービスなど、貴社のサービスをトータルで導入してもらいます。また、各エリアにおいてDXを点ではなく線で導入し、トータルでサポートすることでより大きな収益を築くこともできると考えます。

将来的には、自治体DX事業が貴社の柱となり、同時に地方の利便性向上、人口増加につながることを目指します。

 

☝ワンポイント

企業のホームページ、OB・OG訪問などを通じて企業理解を深めましょう。

設問例3:「我こそ○○である!」

「我こそ○○である!」○○に入るあなた自身を表す言葉をご記入ください。(2021年 パナソニック)

こちらの質問では、あなたの人となりについて問われています。

よく就活生のキャッチフレーズを問う質問は出されますが、このように文言をある程度指定するのは珍しいパターンです。


実際のところ、キャッチフレーズは自由度が高いため、採用担当者に考えが伝わらないケースが頻発します。


そのためある程度型を指定して、そうした「就活生の思いが上手く伝わらない」ことを避けようとしています。

ただ本質の「就活生の性格、人柄を見たい」という点は変わりません。


過度に恐れることなく、身の経験から強みを抽出して、分かりやすくコンパクトなフレーズにまとめましょう。

回答例

「我こそ精励恪勤である!」

私はこの四字熟語を昔から大切にしています。精励恪勤とは、学者(学ぶ人)は学問に力いっぱい励めば、評判が聞こえて遠近の人々が慕い寄る、という意味です。

私は昔から物理学が好きでした。きっかけは、幼い頃母親に買ってもらった「物理のしくみ」という本です。そこから私はひたすら物理の勉強を重ねて、○○大学の理工学部に入部しました。

4年生の時には、その大学で物理学の権威である教授のもとで、朝から夜まで学習に励みました。その頑張りを教授は認めてくださり、「今度、物理学で有名な先生と会うアポイントをとってあげたから」と、憧れの先生にお会いすることができました。その時私は「学問に力いっぱい励めば、遠近の人が寄ってきてくれる」ということを身を持って学びました。

貴社に入社した後も、この精励恪勤という四字熟語を大切にし、常に謙虚な姿勢で学ぶことを忘れず、研究に励みます。

 

☝ワンポイント

どうしても良いフレーズが思いつかない場合は、四字熟語を活用するのも手です。

設問例4:会社や仕事を選ぶ基準

あなたの会社や仕事を選ぶ基準(就職活動の軸)は何ですか?また、シャープのどういった点がその基準に当てはまると思いますか。(2019年 シャープ)

企業側がこの質問をする目的は、「就職活動の軸を見る」が挙げられます。


企業側は、
「就職活動の軸がない=採用されればどの企業でも良い」と判断します。

そしてそのような自発性がない就活生は企業に求められません。


対して、しっかりと就職活動の軸を持つ就活生は「きちんと自分の意見を持っており、信頼できる」と高評価をうけます。

したがって、きちんと前もって就職活動の軸について考えましょう。

回答例

私の会社を選ぶ基準は、「一つの特化した分野で世界一を目指せる企業かどうか」です。

私は父親の仕事の関係で、幼い頃から「日本のものづくり技術」に高い関心を持っていました。父親からは常々、「日本の技術は世界一である」と教えられてきました。

しかし近年は中国や韓国の企業が、安い人件費で大量生産を行い、シェアが奪われつつあります。そうした現状を知った私は、「世界一のシェアをとり、日本の優れた技術を世界中に知ってほしい」と考えるようになりました。

貴社は高い液晶技術を武器に集中戦略をとっています。そして液晶パネルや液晶テレビなどの液晶分野においては、日本シェアが1位であり、世界でも高いシェアを誇ります。また、中期経営計画においても「世界シェア一位をとること」を宣言しています。

そのため、貴社であれば私の「一つの特化した分野で世界一を目指す」という思いを実現できると考えました。

 

☝ワンポイント

こちらの「就職活動における軸」はESだけでなく、面接でも頻繁に聞かれます。しっかりと準備しましょう。

設問例5:あなたに当てはまる、会社が求める人物像は?

パイオニアの求める人物像の中からあなたが自分に当てはまると思われるものを一つ選んで記述してください。また、それを選んだ理由を具体的なあなたの行動・エピソードと共にお書きください。(2017年 パイオニア)

こちらの質問では、会社が求める人物像のどれに自身があてはまるのかについて問われています。


こちらで特に重要となるのは、「会社が求める人物像の理解」です。

もちろん会社の求める人物像は、インターネットで検索すれば簡単に出てきますが、その情報だけでは不十分です。


例えば中期経営計画決算公告で、企業が現在どの方向を目指しているのか、あるいはOB・OG訪問で、どういった社員が活躍しているのか、その辺りまで調べる必要があります。


恐らく多くの方が、インターネットで調べただけの情報で記述することでしょう。

そのため、より現実に即した「求める人物像」を理解すれば大きな強みになります。

回答例

私は貴社の「自ら考え行動し、失敗を恐れず仕事に挑戦できる人」にあてはまります。

私は大学3年生の時に、原付バイクで日本一周に挑戦しました。きっかけは「何か大きなことを成し遂げて、自信をつけたい」と思ったからです。挑戦しようと決意したものの、当時はお金がなかったので、「趣味のマジックでカンパを募ろう」と考えました。

日本一周をはじめた当初は、マジックをしても興味を持ってもらえず、食べるものに困る日々が続きました。そこで私は「とにかく回数を重ねて、知名度をあげるしかない」と考え、雨の日も雪の日も道中でマジックをし続けました。その結果SNSで少しずつ話題になり、カンパや応援してくれる人たちのおかげで無事日本一周を達成できました。

この経験で得た「壁を乗り越えるために、自ら考える力」「失敗を恐れず、とにかくがむしゃらでやり抜く力」を貴社でも活かします。

 

☝ワンポイント

会社の求める人物像をより正確に知ることが、内定への近道です。

自己PRの書き方

自己PRの書き方

自己PRの本質

自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。

ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。


評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。

また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。

企業が自己PRを聞く意図は2点あります。


1人柄を知る

企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。

企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。

逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。


2自己分析ができているか知る

自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。

自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。

しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。

自己PRを書くためのポイント

求める人材に即した「強み」を決定する

企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。


自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。

  • 個人として努力し、成果を上げることができる
  • 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
  • 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる


アピールしたい「強み」を論理的に述べる

上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。

(1)強み:あなたの強みは?

(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?

(3)強みを表す具体的エピソードは?

(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?

(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?

引用:unistyle

※自己PRを書く際のポイント

・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること

家電業界はどんな人材を求めているのか

家電業界の求める人材の特徴


家電業界が求める人材の特徴は下記2点です。

  • 過去にとらわれず、新しい発想に挑戦できる人材
  • 社会課題を解決しようという気概をもった人材

過去にとらわれず、新しい発想に挑戦できる人材

「家電業界の現状」でもお話した通り、現在家電業界は日本のみならず世界中に競合他社が存在します。


そんな他社からシェアを奪還するためには、従来の「安くてそこそこ良い製品」ではなく、「少し値段がはっても、革新的で利便性の高い製品」を生み出す必要があります。


そのため、特に技術職で家電業界への入社を希望するのであれば、新しい発想を生み出し、果敢に挑戦できる人材であることが強く求められます。

もちろん営業職で入社を希望する就活生も他人事ではありません。


「そもそも業界自体が新しい発想に挑戦しようとしている」「時代の移り変わりが激しく、過去のやり方では通用しない」

こうした理由から、例え文系職でもここを強くアピールしなければなりません。


したがってESでは、「自身が取り組んだ革新的なアイデア、挑戦」を意識して記述するようにしましょう。


どんな些細な体験でも、「失敗を恐れず挑戦できる人材である」とアピールすれば、企業側の目を引くことができるでしょう。

社会課題を解決しようという気概をもった人材

家電業界は消費者だけに製品を販売している訳ではありません。


例えば、東芝は原子力発電所や風力発電などのエネルギー関係から、街にある橋や道路に至るまで、様々な社会インフラに携わっており、社会課題の解決に貢献しています。


その他の企業も、多種多様なインフラ事業
を手掛けています。

こうした事実から、「お客様に喜んでもらえるような家電製品をつくりたいです」という思いだけでは不十分です。


実際に志望する企業の事業領域を入念に調べ、どういった事業に注力しているのか、今後どの分野にリソースをさくのか、など自身で知る必要があります。


そしてそれらを調べた上で、「消費者だけでなく、社会課題の解決、SDGsへの貢献を目指します」というように、話のスケールを大きくすることが効果的でしょう。

そうすることで企業側からは「しっかりと自社の事業を調べている」という印象を与えることができます。

 

☝ワンポイント

もちろんその他にも見られるポイントは存在しますが、家電業界が特に求める人材は上記の2点です。


実体験を安直にそのまま記述するのではなく、「どういった人材が求められているのか」「そのために自分はどこを強くアピールすべきなのか」をしっかりと考えて、今一度自身のESを精査しましょう。

 

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監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。