【医療機器業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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人の健康や命に関わることができる医療機器業界。
日本は高齢者の比率が高く超高齢化社会となっていますが、世界的にも高齢化は進んでおり、医療機器にも変化が求められています。
就職活動を進め実際に選考が始まると、一番最初の関門となるのがESです。
学生の人柄や人間性を伝えられる重要な書類ですが、就職活動で初めて目にする物ということもあり、書き方に悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
この記事では実際に医療機器業界の企業で出された質問例とともに、回答のポイントなどをご紹介します。
面接時にESの内容が活用されることもあるなど、選考において重要な書類です。書き方や取り入れるポイントなどを理解し、対策してから選考に臨みましょう。
医療機器業界の採用動向や面接対策については下記記事で詳しく紹介しています。併せてチェックしておきましょう。
目次
医療機器業界のES設問例
1オリンパスのコアバリューは誠実・共感・長期的視点・俊敏・結束です。最も共感するコアバリューとその理由を教えてください。(2021年 オリンパス)
2あなたがテルモで挑戦したいこと、実現したいことを具体的にお書き下さい(2020年 テルモ)
3あなたにとって、仕事とは何ですか?あなた自身が大切にしている価値観などを踏まえて、お書きください。(2020年 富士フイルム)
4あなたがアピールしたいことを重要な順に3つ挙げてください。(2021年 ニプロ)
5あなたが感銘を受けた、もしくは心に留めている座右の銘を教えてください。また、その理由もご記入ください。(2020年 富士フイルム)
設問例1:最も共感するコアバリューとその理由
オリンパスのコアバリューは誠実・共感・長期的視点・俊敏・結束です。 あなたが最も共感するコアバリューとその理由を教えてください。(2021年 オリンパス)※250文字
この質問では「企業理念への理解」や「企業と学生の相性」がわかります。
表記方法は異なりますが各企業には理念があります。
企業の存在意義やあるべき姿、使命などを達成するために、従業員が共有している企業の価値観がコアバリューです。
企業と同じ価値観を持っているか、企業が大切にしている価値観に共感してくれるかどうかを知ることができます。
企業研究を行って企業の理念を理解したうえで、共感できるコアバリューに対する自分の考えを伝えましょう。
回答例
私が共感するコアバリューは「共感」です。なぜなら仕事するにあたり、「相手の立場に立って物事を考えること」は非常に重要であると考えているからです。
例えば世界各国で働く仲間と仕事をする場合、自分とは異なった文化を背景に持つ人たちと協働する必要があります。その際、相手の気持ちを尊重するよう心がけることで円滑に業務が進行し、貴社製品や医療技術のさらなる普及に繋がると考えます。
貴社製品を通じ、より多くの国の健康に貢献するために常に相手の気持ちを考えながら、互いの違いを大切にするよう努めていきたいです。(248文字)
書くことに悩んだ時は、共感できる単語を選ぶよりも、過去の経験から感じたことや学んだことに関連した言葉を選ぶと書きやすくなります。
設問例2:挑戦したいこと、実現したいことについて
この質問からは学生の考える「挑戦・実現したいこと」と「企業の取り組み」の間にギャップがないか知ることができます。
もしも学生がギャップのあるビジョンを描いている場合、早期離職に繋がったり、働くモチベーションにマイナスの影響を与えてしまいます。
企業の事業や業務の内容、今後の方針などを調べ、やりたいことを明確に書けるようにしましょう。
また企業のことを理解してから書くことで、志望度の高さも伝わります。
回答例
低侵襲治療の普及に貢献することです。きっかけとなったのは低侵襲治療のない母の病気にあります。心身に大きなストレスを抱える姿を見て、患者にとって負担の少ない治療が増えてほしいと考えるようになりました。
貴社は注力する医療技術の1つに「低侵襲治療」を挙げており、これからも新しい技術や機器を開発していく企業であると確信しています。しかし開発に成功し、製品化できたとしても、広く使われない限り患者は恩恵を受けられません。そこで自分が治療普及のために医療機器を届ける役割を担いたいと考えました。
使用してもらうためには、ただ提案するだけではなく、プラスアルファの情報を伝える必要があると考えています。医療従事者や患者のためとなる知識や情報を常に学び続け、安心感と共に製品を広めていきます。皆が低侵襲治療を受けられる社会を目指し、新たに誕生する医療機器を少しでも多くの医療現場に提供することで貢献したいです。(397文字)
具体的な内容にするために、企業が提供している製品やサービスの内容を調べることもおすすめです。
設問例3:あなたにとって仕事とは何か
この質問を通して、学生が仕事に対してどのような価値観を持っているのか知ることができます。
学生が考える仕事への価値観と、企業の価値観とが乖離していないか確認するためです。
まずは自分にとって仕事とは何か、働くとはどういうことだと考えているのか、自分自身に問いかけてみると良いでしょう。
回答例
私にとっての仕事とは「人や社会の役に立つこと」です。
アルバイト先でお客様から相談を受けた際、生活習慣や仕事の環境を考慮したトレーニングメニューと食事を提案しました。お客様が「◯◯さんのおかげ」と嬉しそうに結果を報告してくれた時に、自分の行動が人の役に立っていることを実感し大きなやりがいを感じました。以降は「役に立っている」と感じられることが私の働くモチベーションになっています。
この経験を通じて「役に立つこと」が仕事であり、役に立った対価として頂けるものがお金なのではと考えるようになりました。人や社会の役に立つことができるかどうかが就職活動の軸となっており、貴社の新しい技術によって人々の課題を解決したり、幸せを創造したりしている姿に魅力を感じています。
入社後も「誰かの役に立つ」を念頭に置きながら業務に取り組み、「あってよかった」と思われる事業や商品を提供できる人材になるべく尽力していきます。(400文字)
素直に自分なりの「仕事の価値観」を伝えることが大切ですが、「働く=ネガティブ」と捉えている内容は控えましょう。
設問例4:アピールしたいこと3つ
アピールしたいことからは、学生が持つ「強みや良さ」を知ることができます。
志望企業が求める人物像や、企業理念とマッチするような強みがあれば積極的にアピールしましょう。
また具体的な事例を入れることで、アピールしたいことに説得力を持たせられます。
アピールしたい力を発揮した経験の大小は気にせず、過去の自分の経験からアピールしたいことを探していきましょう。
アルバイトやゼミ、部活などチームの中での経験はもちろん、資格取得や学業といった個人的な取り組みからもアピールできる力は見つけられます。
回答例
「課題解決力」
アルバイト先で閑散期の売上が課題でした。人通りは多いものの来店数が少なかったので、来店のきっかけづくりとして店頭販売を提案し、実行しました。結果、売上アップに貢献できました。(94文字)
「仲間を尊重する」
部活のミーティングでは部員同士が感情的になっている時こそ「考えの理由」を聞くよう心がけています。発言の裏にはチームへの思いがあるので、皆の気持ちを大切にしたいと考えているからです。(99文字)
「何事にも挑戦する」
バンド活動を行なっており、今までは演奏技術の向上に注力していました。現在は多くの人に聴いてもらうべく、YouTubeに動画を投稿したり、SNSでの発信に力を入れています。(95文字)
どうしても思い浮かばない時には、周囲の人にエピソードと併せて聞いてみるのもおすすめです。
自分では気づかなかった、意外な一面が見つかる可能性があります。
設問例5:座右の銘について
座右の銘とともに感銘を受けた、心にとどめている理由を聞くことで、学生の人間性や価値観を知ることができます。また座右の銘からは仕事に対する姿勢も連想されます。
過去に自分の価値観に影響を与えた経験を棚卸しして、マッチする言葉を選びましょう。
自分がどんなことを大切にして行動しているのか日頃からアンテナを張っておくことで、実のある言葉が浮かんできます。
企業のイメージや求める人物像などに結びつくものがあれば理想的ですが、無理はせず深掘りされても説明できる言葉を選びましょう。
回答例
座右の銘は「失敗は成功のもと」です。アルバイト先でミスをしたことでより多くのことを学び、言葉の意味を実感したからです。この経験から失敗は恐れる必要がないと感じ、チャレンジすることを大切にしています。(96文字)
面接で聞かれた時に自分の言葉で説明できるよう、ちゃんと意味を理解できているものを選ぶようにしましょう。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める素質を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのか知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていればきちんと自分の強みを伝えることが出来ます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
(1)強み:あなたの強みは?
↓
(2)強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
↓
(3)強みを表す具体的エピソードは?
↓
(4)強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
↓
(5)強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
・注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
・学生時代に頑張ったことと混同しないこと
・書き出しと締めの部分を意識すること
医療機器業界はどんな人材を求めているのか
医療機器業界で求められる人材としては下記のような人が挙げられます。今回は中でも3つの要素をご紹介します。
- 成長意欲を持つ人
- 失敗を恐れず挑戦できる人
- 最後までやり抜ける人
- 主体的に行動できる人
- 周囲を巻き込む力がある人
成長意欲を持つ人
医療機器業界では積極的に成長しようという意志を持っている人が求められます。
医療機器業界の企業はグローバルに事業展開することも多く、中には海外でトップシェアを有する企業も。
世界で活躍していくためには高い成長意欲が必要です。
ESを通して自分が成長意欲を持っている、高い成長意欲のある人間であるとアピールするようにしましょう。
成長していくためには学びが必要ですが、様々なことから学びはあります。学生時代に自分の学びに繋がった経験を棚卸ししましょう。
この時に成功体験だけではなく、失敗や挫折の経験から何か学んだことはないか振り返ることで、意外な学びに気づくことができます。
さらに「何事からも学び取る力」を伝えられるのでおすすめです。
失敗を恐れず挑戦できる人
医療機器業界は日々、技術の開発や革新が求められており、今後も社会環境や人間の変化に対応していく必要があります。
現状に留まっていては進化することができないので、たくさんのチャレンジが大切です。
そして何かに取り組んだ際には失敗がつきものなので、失敗も前向きに捉えて挑戦し続けられる人が求められます。
ESの設問の中で何かに挑戦した経験を伝えてみましょう。そして失敗に対する価値観を入れられると「失敗を恐れていない」という姿勢も伝えられます。
挑戦する中で苦労したことや、ミスしてしまった時のことを思い返し、考えや感情をまとめておきましょう。
最後までやり抜ける人
新たな技術の開発や技術革新のためには沢山の困難が伴います。
そんな時にもめげずに「やり遂げよう」と考えられる力が必要です。
「目標のために諦めずに取り組んだ経験」を取り入れると、最後までやり抜く力を伝えることができます。
自身の粘り強さを発揮できたエピソードを振り返りましょう。
途中で逃げ出したい、投げ出したいと思った時には何を考えて乗り越えたのか、具体的な行動も併せて答えられると、説得力が増します。
自分では当たり前のように取り組んでいると、なかなかエピソードが思い浮かばない場合があります。
周囲から粘り強く、諦めない人だと評価されたことは無いか思い出してみるのもおすすめです。
自己PRや設問に答える際には、上記の要素を関連づけられると、よりマッチしていることが伝わります。
設問によって答えに矛盾が無いか確認してから提出しましょう。
企業によって求める人物像には違いがあるので、上記と併せて志望企業が求める人物像は必ず把握しておきましょう。