【運送業界ES書き方ガイド】読まれるESのポイントを徹底解説!
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現代において必要不可欠な産業のひとつである運送業界 。
ネット通販の存在が当たり前になり海外からの個人輸入なども増えた昨今、運送事業の需要が一層高まっています。一般的な宅配便に加えて空運や海運など、運送には様々な形態の事業が存在し、企業ごとに得意とする分野も異なります。
運送業界を目指している学生の中には、ESで何をアピールしたら良いのか、質問へどのように答えればいいのかが分からないという人もいるのではないでしょうか?
そんな人のために実際に運送業界のESで出題された質問と、突破した人がどのように回答したのかをポイントと合わせてご紹介していきます。
近年の運送業界はIT化やAI導入で変革の時期にあり、市場動向やトレンドを踏まえて業界全体を把握することが大切です。その上で、志望動機や入社後のビジョンを明確にしてESを仕上げる必要があります。
本記事では詳しい回答例なども紹介しているので、ご自身のES対策の参考にしてください。
目次
運送業界のES設問例
1日本通運に興味を持った理由(2022年 日本通運)
2どのような社員になりたいか(2020年 近鉄エクスプレス)
3強みを活かしてチャレンジしたいこと(2021年 ヤマトHD)
4挫折した経験(2020年 SGホールディングス)
5興味を持っている業界・企業(2021年 西濃運輸)
設問例1:日本通運に興味を持った理由
この設問では、企業についての理解度が問われています。志望企業に興味を持つポイントは人それぞれですが、以下のように分類すると回答の軸を考えやすいでしょう。
- 仕事内容(職種や働き方など)
- 事業内容(過去の実績や事業展開など)
- 経営状況(売上高や成長率など)
- 利用体験(自分が顧客として利用したサービスなど)
上記のように企業について様々な角度から注目し、最も興味深く感じる要素について掘り下げて考えてみましょう。なぜ他の企業ではなくその企業に興味を持ったのか、自分が感じたことを具体的に伝えることが大切です。
また、志望動機などを基に考えるとイメージしやすい場合もあります。自分が企業に求める要素がその企業にあり、それがきっかけで興味を持つという流れは自然です。
興味を持った理由が思い浮かばない人は、志望する理由や企業でやりたいことを基に考えてみると良いでしょう。
回答例
私が貴社に興味を持ったのは、貴社が提供している「警備輸送サービス」について知り、国内シェア1位の貴重品運搬実績に感銘を受けたためです。
集配金や貴重品輸送などサービス内容が幅広く、金融・警備と深く結び付いた運送事業を展開している点に興味があります。
日常生活の中で当然のように利用している金銭が、どのように運送されて流通しているのか、安全かつ確実に運ぶために施されている工夫など、実際に業務に携わることで理解を深めたいと考えています。
また、日本国は海外諸国と比較しても現金主義が強い傾向にあるため、国内における現金の警備輸送は一定の需要がある価値の高いビジネスモデルだと考えます。そうした事業を請け負う上で、一般の運送事業からどのように展開を行っているのかも興味深い点です。
貴社は現金などの他にも、重要情報や個人情報媒体の輸送も手掛けているため、通常の運送事業と比較してより高い信頼が求められると考えます。それらの厳しい条件を乗り越えてサービス提供する貴社で働き、市場での信頼構築や実績づくりの過程なども学んでいきたいです。(460文字)
興味をもったきっかけについて、「学びたい・知りたいと思う点」などを交えて、興味を感じている具体的なポイントを伝えるように意識しましょう。
その企業の特徴や強み、独自性などに注目してみるのもおすすめです。
設問例2:どのような社員になりたいか
この設問では、仕事を通してどうなりたいかを考える必要があります。
企業の中で担いたい役割や覚えたい業務、経験したいことなど入社後の情景を具体的にイメージしてみましょう。
考え方の基準は以下のようなものがあります。
- 役割で考える(リーダー、ムードメーカーなど)
- テ働き方で考える(明るく働く、自分に厳しく働くなど)
- 人間性で考える(ポジティブな社員、チャレンジャーなど)
- 能力で考える(発想力のある社員、行動力のある社員など)
入社後の自分を想像してみて、自分の理想の姿を考えてみましょう。
憧れている職種や目指している人物などが明確な人はそれらを基に考えるのも良いでしょう。
イメージしづらい人は「社内でどう思われたいか」「どのように役立ちたいか」という視点に切り替えると、理想の自分の姿が見えやすいです。
回答例
私は、ポジティブに仕事を楽しめる社員になりたいです。入社後をイメージし、職場にどんな人がいたら前向きに働けるかを考えたところ、明るく楽しそうに仕事をする人が近くにいると自分も気持ちよく働けると考えました。
どんな仕事でも自分なりの楽しみ方ややりがいを見出し、周囲の人を巻き込むような社員になることが私の理想です。
楽しい気持ちで働く人が増えることで、社員全体の勤続に繋がり、知識や経験の豊富な人が社内に増えると考えます。結果、会社全体の生産性向上、売上増加など利益面でも良い影響が期待できます。
楽しく仕事をこなし、人間関係の側面から従業員満足度向上に寄与できる社員になりたいと考えています。(293文字)
「こんな社員になりたい」と考える理由や、具体的な理想像を詳しく伝えるようにしましょう。
また、自分が理想の社員になることで周囲の人や会社に与えられるメリットについて、回答の中で一緒にアピールするのもおすすめです。
設問例3:強みを活かしてチャレンジしたいこと
この設問で注目されているポイントは、「自分の強みを理解しているか」「入社後の目標があるか」という2点です。
回答においては自分の強みを単純にアピールするのではなく、「その強みをどのように活用できるか」という、強みの内容を深めた答え方が求められます。
これには強みに対する理解度を高める必要があり、どんな性質の強みなのか、活かせる状況や役に立つ方法は何かを具体的にイメージすることが大切です。
まずは自分の強みと入社後の目標(チャレンジしたいこと)を整理し、その実現のために強みをどう活用できるかを考えてみましょう。
回答例
私は、自身の強みである問題解決力を活かして「クロネコメンバーズ」のシステム改革にチャレンジしたいです。
クロネコメンバーズのサービスは荷物の配送状況確認や各種情報などが円滑にできる便利なものですが、今よりもシステムを簡素化することにより、顧客満足度がさらに高まると考えています。
現状のシステムは、利用する端末やプラットフォームによってログイン・伝票入力などの処理が重複する場合があり操作が複雑に感じる点があるため、これらを改善するシステム改革に取り組みたいと考えています。
より簡単に利用できるシステムを実現し、クロネコメンバーズ会員の拡大促進、サービス利用者増加に繋げていきたいです。
私は現状分析を基にした解決策の提案・実行が得意なので、まずは既存システムの課題点を的確に見極め、その上で改善点に優先順位を設けてひとつずつ着実に実行していきたいと考えています。
実現したいこと(チャレンジしたいこと)については、どんな取り組みがしたいのか具体的な例やイメージを交えるようにしましょう。
また、その取り組みにどんな意味があるのか、何のためにやるのかなども伝えられると良いです。
設問例4:挫折した経験
この設問では、挫折から立ち直る力を持っているかどうか、挫折経験から何を学んだかなどが問われています。
社会で働く際は困難な壁に直面する場合もあり、仕事の中で挫折やそれに近い状況を経験することもあるでしょう。
そうした際に再起することができるか、学びを得て次の挑戦に進めるかといった点は選考において重要なポイントとなります。
回答においては、「挫折経験から立ち直った方法」や「挫折から学んだこと」などを具体的に示し、苦境から学んで前に進める人材であることをアピールしましょう。
挫折の大小は気にせず、「得た学び」の部分に焦点を絞って考えることがおすすめです。
また、挫折を乗り越えるために努力したこと、工夫した点、などを一緒に記載するのも良いでしょう。
苦しい中で挫折を乗り越え、その後どんな成長につながったのかが伝わるように意識しましょう。
回答例
私は、公認会計士の資格取得に挑戦して挫折した経験があります。簿記がきっかけで会計士に興味を持ち、資格取得のために独学で学習を始めましたが、最後まで努力できませんでした。
理解できない内容を相談する相手がおらず、課題解決ができない状態が続くことで、学習意欲を失ってしまいました。誰にも助けを求めず、1人で抱え込んだことが原因だと感じています。
しかし、友人の誘いで始めたプログラミング学習をきっかけに立ち直り、今では学んだことを活かしてオリジナルアプリを開発したいと考えています。プログラミングも会計士と同様に未経験で難解でしたが、友人と教え合うことで理解も深まり学習が充実しました。また理解度が高まっていく自分に自信も持て、結果的に難しい課題にも楽しみながら取り組めるようになりました。
この経験から、他者に助けを求める大切さと、同じ目標に向かう仲間がいることで困難な課題も乗り越えることができると学びました。
回答では、「挫折内容」「挫折理由」「立ち直ったきっかけ」「学んだこと」の4点を順序立てて伝えると良いでしょう。内容を1つずつ整理することが大切です。
設問例5:興味を持っている業界・企業
この設問では、業界・企業についての理解度や視野の広さが問われています。
様々な業界や企業について知識を深め、多様なビジネスモデル・市場について理解することで内容の濃い回答に仕上げることができます。
回答においては、事業内容などが志望企業と関連のある業界・企業をテーマにすると良いでしょう。その業界になぜ興味を持っているのか、どのような点に注目しているのかを具体的に示し、各分野について深く考えていることをアピールできると理想的です。
回答例
私は運送業界に加えて海運業界にも興味を持っています。貴社を志望するにあたって物流に関連する業界・企業について総合的に調べる中で、輸入に大きく関わっている海運業界に興味を持ちました。
日本国はエネルギー資源や食料品など多くの物資を輸入しており、海運業界は国内の運送事業と深く関連していると考えています。輸入した物資は海運業者から倉庫業者・運送業者へと渡り消費者のもとへ送られます。
私は輸入から消費者への配送までを一貫して担うサービスを実現したいと考えており、そのために海運業界への理解を深めたいと考えています。
海運業界の中で注目しているのは商船三井です。世界最大規模の船隊を保有し燃料資源から製品類まで幅広く輸送している点が興味深く、海運事業の流れ全体を把握する上で重要な企業だと考えます。
物資ごとの輸送方法やルート、輸入ネットワークの構築などについて学び、運送事業と一体化した事業を作るための手掛かりを得たいと考えています。
興味を持っている業界・企業が、志望企業とどう関係しているのかを伝えるように意識しましょう。
「志望動機」や「入社後にやりたいこと」と紐づいた内容にすると、一貫性のある回答に仕上がります。
自己PRの書き方
自己PRの本質
自己PRとは「自分の強みや長所を企業に伝える場」になります。
ただ単純に自分の強みや長所を伝えるのではなく、企業の求める人材を理解して自身の強みをどのように活かせるかを伝えることが重要となります。
評価の高い自己PRにするには、まず自分の強みや長所をきちんと理解することが大切になります。
また、自己PRを書く上で、企業がなぜ自己PRを聞くのかを知っておくことが必要です。
企業が自己PRを聞く意図は2点あります。
1人柄を知る
企業は自己PRの内容から、企業に応募者の人柄を把握して企業と合った人材かどうか判断しています。
企業の社風にマッチした人材であれば活躍イメージが湧きやすく入社後の成長も期待できます。
逆に企業とのマッチ度が低い場合は早期退職の可能性があるため積極的な採用はされません。
2自己分析ができているか知る
自己PRは自分の強みや長所を伝える場なので、自分自身について理解していることが重要となります。
自己分析がしっかりしていれば、きちんと自分の強みを伝えることができます。
しかし、自己分析ができていない場合は就職活動への真剣度は欠けると思われ、企業への志望度も低いものだと判断されます。
自己PRを書くためのポイント
求める人材に即した「強み」を決定する
企業へ自身の強みを伝える場合、企業のビジネスモデルを理解した上でどのような強みを求めているかを考え、自分の経験などに結び付けて伝えるようにします。
自己PRは大きく分けて3つに分類することができます。
- 個人として努力し、成果を上げることができる
- 関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる
- 今までにない仕組みや企画を提案し、周囲と協力しながら実現できる
アピールしたい「強み」を論理的に述べる
上記でまとめた自身の強みをより企業に対してわかりやすく伝えるために、下記の流れにまとめるとスムーズです。
1強み:あなたの強みは?
⇩
2強みの原点:強みが形成されたきっかけは?
⇩
3強みを表す具体的エピソードは?
⇩
4強みの方法論:強みを発揮するために意識していることは?
⇩
5強みの活かし方:その強みを入社後にどう活かすか?
引用:unistyle
※自己PRを書く際のポイント
- 注意点 ・アピールする強みに再現性を持たせること
- 学生時代に頑張ったことと混同しないこと
- 書き出しと締めの部分を意識すること
運送業界はどんな人材を求めているのか
- 社員としての理想像が明確な人
- チャレンジ精神のある人
- 自分の強みを理解している人
- 挫折(困難)から再起する力のある人
社員としての理想像が明確な人
入社後の自分について、「どんな社員になりたいか」という理想像が明確な人が求められる傾向があります。
理想とする役割や働き方、身に着けたいスキル・人間性などを軸に将来のイメージを膨らませてみましょう。
この際、「志望動機」や「入社後にやりたいこと」などを基に考えてみると具体的なイメージがしやすいです。
チャレンジ精神のある人
運送業界は物流事業の中核を担っているため、輸出入を含め幅広い事業者と関わる仕事といえます。
そのため周囲の環境変化への素早い対応が求められる場合もあり、新規事業や改革などに挑戦する必要も出てくるでしょう。
そうした際に自ら進んでチャレンジできる人は、自分で活躍の場を広げることができるため、他者より効率的に学び、いち早く成長することができます。
自己PRなどでは過去の挑戦や、チャレンジを成功させた経験などをアピールできると良いでしょう。
近年の運送業界は、ネットの普及により一層需要が高まっている上に人手不足の影響もあるため、戦力となる人材が多く求めらています。
選考では「仕事内容や特徴を的確に理解した上で、主体的に行動し活躍していく意思がある」ことをアピールしましょう。